2025年09月13日

G-フローONE フローレジンに久々の個人的ヒット作

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歯科材料というのは、メーカーとの相性があるのである。
接着性レジン系材料で、もう確信的にそれを感じる。

私であれば、3Mとヤマキンとは相性が良いが、トクヤマ、GCとは相性が悪い。松風、サンメディカル、クラレは中庸。いきおい、自分が使う材料のメーカーは偏在したりするのである。歯科材料で重要な哲学は「どの材料が良いかではなくどう使いこなすか」なのであるが、相性はまあ、それ以前の問題ということで、私は割合に重視したりするのである。気になるアノ人の血液型を気にする乙女心と同じである(暴言)。

そんな中、GCからユニバーサルシェードのフローレジンが誕生した。
そういえばGCは出してなかったな、という感覚があるので、満を持して市場に投入してきた印象受ける。GCがマルチシェードタイプの製品開発を忘れていた説もあるが、たぶん前者。

外観がどうにも手に馴染まなかったMIフローの色違いに見えるし、パンフレットを受け取った時点ではあまり食指が動かなかったのだが、ちょうど松風のユニシェードフローが底を尽きたところだったので購入してみることにしたのだった。

それが7月の頭ごろの話で、実際に本製品を入手できたのが先月の末ごろである。

さて使ってみたところ、フローの稠度、光重合後の周囲歯質との外観のマッチングで極めて良好な手応えがあり、一発でお気に入りのフローレジンになってしまった。保険診療でこのクオリティの充填を簡便に実現できるなら文句がない、という感じだ(ただし咬合面の充填に関してはア・ウーノの方がクオリティが高いものに仕上がる。咬合面充填にア・ウーノはやはり別格……)。

まだ追加検証が必要だが、パッチ充填でも既存CRの色調に案外に合ってくれる手応えも感じている。

そして国産品で価格も平均帯で3.4gの大容量。これ以上、なにが必要だろうか?保険診療で使うフローレジンの広範囲をカバーしてくれそうな勢いである。手放し褒めすぎ感があるのは、興奮しているからである。


とりあえず新たにフローレジンの導入を検討されている先生がおられたらオススメしたい推しの製品です。
 
ラベル:G-フローONE

2025年09月04日

Dr.Kimヘッドランプの故障

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もう12年ほど前、勤務医時代に和田精密の営業マンに紹介されたのがDr.Kimヘッドランプである。デモ機を借りて、その狂った明るさと取り回しの良さに惚れ込んで即買いしたのを思い出す。爾来、私は愛用し続けてきた。任天堂のゲーム機のように頑丈で故障知らずだった。さすがに充電式バッテリーは繰り返しの使用に根を上げてヘタったが、使えなくはないので無視して使い続けてきた。しかし、ついに壊れてしまった。バッテリー充電器のケーブルが断線してしまったのだ。本体は無事だが、バッテリーが充電できないので「詰み」である。しかし断線部を電気屋さん的に修理すれば充電機能回復させらるかもしれない。私は諦めが悪い。


とはいえ、修理は時間がかかりそうだし、直る保証もない。
ヘッドランプがなくとも診療はできるが、局所麻酔の際の「痛くない刺入」の際に術野を照らせないのは困る。緊張させた粘膜のそばに針先を置き、粘膜の緊張を解放して結果として粘膜に針が通るようにしているわけだが、この作業は術野が暗いと手こずるのだ。光量の高さは望むべくもなけれど、やはりヘッドランプは欲しい。


こんなこともあろうかと、当院にはヘッドランプのバックアップがある。あまり明るくないが、ないよりはマシだ。ちなみに医療用ではない。Amazonで買えるようなやつで、購入履歴を調べたら、なんとまだ売っていた。軽量でLEDライトで充電式で拡大ルーペがついてお得だからだろうか。ちなみに野外に作業する際にあると意外に便利である。懐中電灯ほど明るくはないが、両手が自由だからである。

で、使ってみたのだが、やはり光量不足は如何ともしがたい。もう少し明るくなければ困る。魔改造して光源をパワアップさせても面白そうだが、生憎、そんな技術はないのである。


修理がダメだったら潔く新品を買い直す(Ciで買える)か、完全パクリ品だが現代風にリニューアルされたBiLumix(冒頭写真のモデル。和田精密から買える。デモ機がある)を購入することにしよう。またお金がなくなる……。
 

2025年08月26日

One-Filという新シーラー

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根管充填後の根尖病変を治癒する役割をシーラーに求めてはならない、ということを頭で理解していても、性能の良さそうなシーラーを選んでしまうものである。

根管の中を消毒し尽くして無菌的にした(と術者は頭の中で判断している)ら生体為害性のない材料で緊密に封鎖させておこうと術者は考えているので、「なるべく良さげな」シーラーを選択してしまうのかもしれない。自身が施した根管治療の手応えが良かったと確信していれば、なおさらであろう。

私も研修医から今に至るまで数多のシーラーに接してきたが、「もう絶対コレだ!」と心の底から納得できる手応えを感じたシーラーはAHプラスぐらいしかなかった。そして今、AHプラスは使用していない。ここ数年はニシカのキャナルシーラーBGを使ってきた。

AHプラスは、いまでも後継品が存在しているが、ある時を境にやめた。
レジン系のシーラーは重合収縮が無視できないだろうし、生体為害性もありそうである。垂直加圧を行うことが多いので、パフとして側枝や根尖外に移動する現象のことを考えると、レジン系を選択する気がなくなったのだ。
「それは気にしなくて良い」、というエビデンスがあるならCiで購入できる『キャナルレジンシール』が安価なので鞍替えできるのだが。まあいいか……という感じである。

さて記事冒頭の写真にあるOne-Filが発売された。
バイオセラミックシーラーを保険診療で使えるのはありがたい限りである。容量が2gなので際立って安いわけではないし、むしろ高価な部類のシーラーではある。使い勝手が良ければ悪くない選択肢となりうるシーラーなのではないか。

使ってみた感想としては、プレミックスされている分キャナルシーラーBGよりも扱いやすい。シーラーを練板紙上に出して、それをポイントに塗沫すれば、従来のシーラーと同様に扱える。X線造影性もキャナルシーラーBGとほぼ同等。根尖部の側枝への入り込みも得られる。また、根充後の確認写真で根尖孔外にパフが写っていたとしても、(次回来院時の際に確認すると)術後疼痛の発現に関与したとは思えない手応えがある。このレベルの性能があるのであれば、特別な理由もなければ使い続けても良さそうである。
 
しばらく使ってみよう。
 

2025年08月09日

咬合面の1級充填にはア・ウーノがいいんじゃない?

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先の記事YAMAKINのア・ウーノについて記載したのでついでに。

私は臼歯部の咬合面の充填に関してはシュープリームウルトラではなくア・ウーノを用いる。

以前は窩底部にA3.5Bを敷いてからエナメル質に相当する咬頭隆線部をA2Eで充填していた。私なりの3Dレイヤリングテクニックである。
このテクニックはシンプルなルールながら審美的な咬合面充填が可能で優れている。
しかし私のヘボい腕では良い結果がついてこなかった

そのうちに、窩洞底部にデンツプライのSDRのような低重合収縮のフローレジンを敷き(ファウンデーション・レイヤー)、マルチシェードタイプのフローレジン(臼歯咬合面に使用できる物性があるもの)で咬頭や隆線を付与するような充填を行うようになった。これは慣れれば簡便でスピーディな手法で保険診療向きである。

そして現在、YAMAKINのア・ウーノのペーストとフローを用いるようになった。
少なくとも咬合面1級充填で極めて安定した成績を示すのでお気に入りの材料だ。


審美的なCR充填を自費診療で行うのであれば、より高いレベルの充填技法を追求して腕を磨かなくては格好もつかないが、当院のCR充填は保険診療の範疇を越えることはない。そして保険診療とはいえ「充填」は適当に済ませられるほど簡単な処置ではないから、時間とコスト的に許される範囲内でベストを目指すスタイルを採用している。つまり、世間の大多数の先生方と同じである。



卑近な臨症例
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26歳男性、#46 「右下の銀の詰め物を取って白くして欲しい」の主訴。浸麻してラバーダム防湿下でアマルガム除去、その直下の深在性の齲蝕の除去を行いメガボンドFA:ア・ウーノStのフローとペーストで充填。「ふうん、こんなもんか」という感想と負担金1100円で終了。そんなもんです。

2025年08月08日

ペーストレジンは、やっぱフィルテックシュープリームウルトラでいいんじゃね

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歯科材業者の営業マンが「これ一本でシェード合わせがOKなCRの新製品出ましたよ!」と紹介してくれたのが3Mの『フィルテックイージーマッチユニバーサル』である。

なるほど、トクヤマのオムニクロマや松風のビューティフィル・ユニシェードみたいなマルチシェードタイプか、と資料に目を通したらブライト、ナチュラル、ウォームの3種類があるという。なにが一本でOKだ!と思ったが突っ込まないでおいた。

当院は高齢者の患者さんが多く、CRもA3以降のシェードの使用頻度が高い傾向にあるので、ひとまず「ウォーム」を注文して試用することにした。

果たして、感触は期待はずれだった。
なんだかシェードのマッチングがうまくない気がするのだ。

ペースト性状、賦形性はシュープリームウルトラと似ているので違和感はないのだが、仕上がりの見た目がなんだかフィットしない。私は昔から3Mの製品と相性が良いので期待していたのだが……。


一方のシュープリームウルトラの方はデンチン、ボディ、エナメルと透明度の異なる10色があって一見してややこしいのだが、保険診療で使う分には A4D,A3B,A3.5B,A4B,A2E を用意しておけば充分に間に合うのではないか。少なくとも私は、ずっとこれでやってきた。

そりゃあ私も浮気性なところがあるから他社製品に流れたりすることもあるが、結局はシュープリームウルトラに帰ってくるのだった。もうこれが基本なのだ。相性の良さを確信している。もっと使いこなせるようになりたい気持ちが湧く。

されども、臨床は単純ではないから他のCRでイレギュラー対応するケースもある。
その場合は松風ビューティフィルU LSのBW、GCのジーニアルアコードのA6、YAMAKINのア・ウーノを用いている。

このシュープリームウルトラ、市場に出てから長いのだが、いまだ変わらず存在し続けている。ということはベストセラーなのであって、これを支持する臨床家が多いのだろう。私も、まだまだお世話になるだろう。使えば使うほど、自分のCR修復に対する「充填、形態修正、研磨」の技術の至らなさ及び改善点を教えてくれる名教師だと感じている。

円安で価格が高騰しないことを祈るばかりだ。
 

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