2018年07月15日

『AF MAX』 XP-Endo Finisher のパクリ品?

中国製プロダクツのようだが、FantaというブランドのNiTiファイルが存在する。
その中で、XP-Endo Finisher(XPF)に似たファイル『AF MAX』を発見した。

Fanta Af MAX.Jpg
AF MAX
- Cleaning Finisher Rotary

* Excellent Cleaning Finisher
* Remove Smear Layers Efficently
* Maximally Reserve the Dentine


Link⇒http://www.fanta-dental.com/col.jsp?id=125

またしてもその根拠は不明だが、使用することでスメア層を除去してくれるようだ(うそくせー)。

それはさておき、NiTiファイルを用いた三次元的清掃を狙うXPFの下位互換程度の能力は有していそうな気がする。加えて出自的にXPFよりも格安になることは確定である


このFantaなるブランドのNiTiファイルは、皆様お馴染みのスマイルUSで部分的に購入が可能であるものの、現時点ではこの『AF MAX』の取り扱いはない。

そしてまた、どんなファイルなのかそもそも情報があまりない。たぶん、XPFみたいなファイルなのだろうとは思われるのだが。

リンク先のサイトに「Contact US」とあったので、この『AF MAX』についての資料を請求してみたが、3日経っても音沙汰がない。

Eメールに書き殴った英語力が足りないことが原因で至誠通天どころではなかったのか。悪戯メールと思われてポイされちゃったに違いない。がっでむ。
 



余談
しかしまあ、世界にはいろいろなNiTiファイルが竜注されているものですね。

日本では、ここのところはデンツプライの『ウェーブワンゴールドグライダー』がトピック・アイテムかな?

デンツプライの担当者にこのファイルの売りはなんや?と訊いたら、「エンドモーターの設定を”ウェーブワンゴールド”に合わせたまま拡大形成のステップを終えられます!」と誇らしげに言ってて微妙臭。ロータリーのプログライダーに比べて、根尖部に存在するものと考えるべき湾曲に対して偏移を起こさずグライドパス形成ができるとか言えや!

値段は分からんが、ただでさえ高価なプログライダーよりも効果であることは間違いないであろうから、当院ではいまのところ採用予定はござんせん。すまんな。
 
ラベル:XP-endo
posted by ぎゅんた at 21:39| Comment(2) | ニッケルチタンファイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月05日

(論文紹介)The efficacy of XP-endo SHAPER (XPS) in cleaning the apical third of the root canal

(著者ら)Slavoljub Živković1, Jelena Nešković1, Milica Jovanović-Medojević1, Marijana Popović-Bajić1, Marija Živković-Sandić2
1University of Belgrade, Faculty of dental medicine, Department of Restorative Dentistry and Endodontics, Belgrade, Serbia;
2University of Belgrade, Faculty of dental medicine, Department of Orthodontics, Belgrade, Serbia



どんな論文?
XP-Endoシェイパー(XPS)用いた根管形成の有効性を評価したもので、形成時の根管洗浄には(保守的な)2%ヒポクロを用いている。XPSの有効性を根尖部の根管壁象牙質を2000倍の電子顕微鏡観察してスメア層の存在の有無と程度を統計・解析することから評価している。

単純に結論付けると、NiTiファイルで根管形成後に、XP-エンドフィニッシャー(XPF)を用いるとスメア層が除去されて少なくなり、XPSとXPFの組み合わせが最もスメア層が少なかった、としている。

平易で読みやすい印象を受けるセルビッシュ・ペーパー。



所感
スメア層の除去がXPFで達成できるとするのは、私は懐疑的である。メカニズムがはっきりしないからである。読み間違えや読み飛ばしているのかもしれないが、なぜXPFを用いてスメア層が有意に除去できるのかについての言及がない。私は、その昔スメア層も除去できるという触れ込みで上市された(はずの)『エンドアクティベーター』が、その後の研究でEDTAを併用しなくてはスメア層を除去することができない報告されたことを思い出す。

フィニッシャーのファイルはシェイパーに比べてフニャ○ンで、まるでしなるムチのように動作するから、なるほど、根管壁をペチペチ高速で叩くことで、あたかも箒が床の埃や塵芥を捲き上げるように、スメア層を根管壁より剥離しているのかもしれない。とはいうものの、如何にムチのようなファイルでも所詮はメタル・マテリアルであり、象牙質に機械的な接触をしてしまえば、やはりそれはスメア層を発生されてしまうと思うのである。この点について筆頭著者にメールで質問を飛ばしてみたが、1週間経っても返事はない。

いかなるNiTiファイルやファイル・シークエンスでの拡大形成であれ、最後の「フィニッシュ」にXPFを用いることは根尖部の清掃の面では有利に働くと言えるだろうが、スメア層の除去も行ってくれるとは考えない方が良さそうだ。

多少なりともスメア層が存在しても、根管充填後の永続的な封鎖が達成できると考えるのであればXPFで仕上げて終わって良いと思う。

いや根管洗浄は重要なステップだ、象牙質削片やdebrisも含めてスメア層は可及的に除去しておきたい、と考える先生はEDTAを用いれば良いのだろう。

ひとまず私はXPSを用いているし、EDTAやヒポクロをエンドアクティベーター併用で根管洗浄している毎日である。

いずれにせよ、XPSとXPFは多くのエンドドンティストにとって関心を引くNiTiファイルであろう。


ラベル:XP-endo
posted by ぎゅんた at 16:06| Comment(2) | ニッケルチタンファイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月26日

XP-endo Shaper に首ったけ!


XP-endo Shaper.Jpg
どうせなら6本で売って単価を下げろや!


新しいNiTiファイルを試せば毎度のように「これは良い」と節操なく言っている気がするが、このXP-endo Shaperは本当に良いのである。

見た目はアレでとっつきにくいが、折れないし、ワッシャワッシャと根管壁をシェイピングしてくれるし、なによりGP除去能がゴイス。

欠点は値段が高いこととフィニッシャーとの外見上の区別がつきにくいことである。




いつどのタイミングでこいつを使うの?

今のところ、主に三つの使い道である。

1.従来のNiTiファイルで拡大形成した後の「仕上げ」として
2.イスムスのある根管の拡大形成
3.再根管治療時のGP除去

本来的に拡大形成後の「仕上げ」には、シェイパーではなくフィニッシャーを用いるべきなのであろうが、フィニッシャーを使ってみた感じあまり感触が良くなかった。シェイパーで最終拡大時の作業長までサッと到達させるだけも良さげな感じだ。

私は根管の仕上げを、17%EDTAと5%ヒポクロを『エンドアクティベーター』を用いて行っている(ラドル先生が言うところの「3D-disinfection」を期待している)ので、目下、フィニッシャーは要らないかな……と考えているところだ。使うべきではあるのだろうが、エンドアクティベーターを買って使い慣れてきたところでもあるので、フィニッシャーの採用はひとまず様子見なのだ。

GP除去は、まさにXPエンドシャイパーの独壇場かも知れない。
とはいえ万能選手ではないから、GPの詰まった根管にシェイパーを突っ込んでも除去はしてくれない。グライドパスが形成された後に使用することで根管内のGPをかなりの信頼性の上で除去してくれる。ネゴシエーションできていない根管でも、ゲイツバーなどで大まかにGPを除去した後に用いれば根管壁のGPを、ファイルが接触する範囲で除去しようとしてくれる。

海外では、このステップでラバーダム下でクロロホルムを併用することで徹底したGP除去を実現しているようだ。

私はクロロホルムは所有していないので、GPソルベントを用いてみたが、溶液中にGPが溶け出すように除去できることを確認した。上手に使えば、根尖からGPを溢出させることもないように思える。



その他……
推奨されない種のコメントになるが、XPエンドシェイパーは実に破折しにくい。
破折するまで使ってみようと抜去歯牙30根管以上で使用していたが全く破折してこないので、使っていて怖くなる始末である。根管内で使用する変形疲労とオートクレーブ滅菌の熱疲労があるのに、なんという頑健さであろうか。セーフティメモディスクを2枚使ってのカウント管理でも問題なく耐え抜いてくれそうだ。
 
ラベル:XP-endo
posted by ぎゅんた at 20:44| Comment(7) | ニッケルチタンファイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月27日

EdgeEvolve & EdgeGlidepath

2018/4/6 追記
edgeendo.jpg

Edge Evolve(17/.04)
購入したサイトの説明によれば、GTSeriesX 互換 とある。GTシリーズというのは、記憶違いでなければ、デンツプライのロータリー系NiTiファイルの一系統だったはず。

プロテーパーネクスト:X1の代替品としてEdgeTaperEncore:X1を使用してみたところ、その正体はHyFlex-EDMな感じであったが、目的とする」グライドパス形成後の予備拡大」には確かな効果を示してくれ、あ、これで良さそうと納得しかけていた次第。

このEdgeEvolveは、EDGEENDO社(?)のEdgeシリーズのひとつだが、EdgeTaperEncore:X1と同じ号数とテーパーでかつ価格がより安くなってくれることから試用することにした。これがプロテーパーネクスト:X1に似ていれば言うことなしだ。

使用回転数とトルクについての記載がないものだから、GT Series X の説明書の300-600rpm(トルク設定は謎)を参考に、ひとまずXスマートプラスにプリセットされているプロテーパーネクストの設定で使用することにした。


結果
・プロテーパーネクスト:X1とは異なる
・EdgeTaperEncore:X1のほうが使い心地が良い
・通電性が悪いのかEMRとの連動ができない

ファイル材質は柔軟(弱々しいフニャ◯ン)であるが、ゴボウみたいに虚弱で薄汚れた見た目がイケてない。「古い世代のNiTiファイルを引き出し奥から出してきました感」がある。

メーカーのHPを参照すると回転疲労に対して強いぜみたいなデータが誇示されていたりする。まあ嘘ではあるまいから、破折しにくいファイルだと受け止めてよいだろう。

どのみち、セーフティメモディスクで使用回数をカウントされ、花びらが散ればお役御免となるルールからは逃れられない。というか、今時のNiTiファイルは使用に際して原則を遵守していれば、セーフティメモディスクの管理内で破折などしないほど抗破折への信頼性が高くなっている。大切なのは、滅菌を経ても切れ味や耐久性が鈍らず維持されることであろう。

役に立たないと窓から投げ捨てるほどダメなファイルではないが、プロテーパーネクスト:X1の代替品として気持ちよく使用できるのはEdgeTaperEncore:X1の方である。

このEdgeEvolveとEdgeTaperEncoreを使い分けるほどの暇も必要性もないから、私のエンドには採用されないことになった。それにNiTiファイルは、どれも外見が似たり寄ったりなものだから、種類豊富にファイルケースに陳列させようにも雑多、混乱をきたしやすい。道具は必要最低限のものをシンプルに美しく揃えるべきである。

というわけで、EdgeEvolveさんは申し訳ないが「肩たたき」コース。
メルカリかラクマで捨て値で売っちm…あ、医療機器だから無理か。ちくしょう。

もし欲しい先生がいらっしゃいましたらタダでお譲りします。抜去歯で練習してみて下さい。



Edge Glidepath(16/.02)
これはまあまあ、いいですね。

なんとなく見た目的に本家プログライダーさんよりゴツい気がしますが、気のせいではなく、ファイル基部がふとましくなっています。前歯や単根など、本来の根管形態がマアマア太い根管なら本家プログライダーと似た感覚で違和感なくグライドパス形成を行ってくれます。細い湾曲根管だと、太い基部との干渉があるのか、もうひとつうまくいかない。

抜髄根管で12KでPatencyをとった後にこのEdgeGlidepathでグライドパスを形成してみたところ、ファイルに歯髄が絡まってくれたりと、プログライダーと似たような仕事っぷりを見せてくれます。

なんとなく見た目的にプログライダーより薄汚れている感がありますが、本家本元とは違いますものね。仕方ないね。

総合的には、コスト削減のための代替品としては満足のいく仕事をしてくれるファイルだと思います。
posted by ぎゅんた at 00:49| Comment(2) | ニッケルチタンファイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月23日

続・XP-Endoシェーパー

XP-endo shaper.jpg

実際の根管でGP除去拡大形成を目的に数回、使用してみました。使用回数はセーフティメモディスクで管理しています。いまのところ破折なし。

根管をシェイピングしているときに「あ"あ"あ"〜(ビチビチビチ)!」みたいな独特の音がするのがちょっと気持ち悪いですが……使っているうちに「こいつぁいい…」と蠱惑され始めます。パンフレットのわけわからん加減に反して、使ってみると素直なのであります。

とはいえ、価格は相当に高価でありますし、これを保険診療で用いるのは採算度外視姿勢を選ぶことに他なりません。エンドが好きになると財布が軽くなる一方であります。見た目に反してかなり丈夫なんで、使いどころを選んで大切に使えば破折せず長持ちしてくれそうな気がするあたりはナイス。

GAIJINのエンドドンティストたちは、本当にこれを使い捨てで使っているのだろうか?
へへへ、捨てるぐらいならあっしが処分しときやすぜと揉み手してお近づきになりたい気分です。


外見的に差異が少なく区別が極めて困難なのですが、このXPエンドシェーパーにはXPエンドフィニッシャーという兄弟がいます。兄弟揃ってパンフレットがわけわからん加減なのですが、このフィニッシャーの必要性は、今のところあまり感じません。機械的清掃もGP除去もシェーパーが達成してくれますし、根管の消毒を目指すにしても、私は「3-D disinfection」であるエンドアクティベーターを所有しているからです。

エンドフィニッシャーは、金属ファイルなので、根管内で動作時に根管壁を叩けば、それはそれでスメア層を作りそうな気もします。エンドアクティベーターは医療用ポリマーチップなのでどれだけ根管壁を叩いてもなにも起こりません。

樋状根やイスムスという、従来のNiTiファイル形成の盲点を突かれる形態を示す根管形成の仕上げにXP-Endoシェーパーを用いて、その後の根管洗浄にエンドアクティベーターを用いれば十分な気がしております。


何はともあれ、XPエンドシェーパーとフィニッシャーは今後の臨床評価の蓄積が楽しみです。良い結果を叩き出すファイルであろうことは確信しているからです。

しかしこのファイルの成功を、ヤクザ企業デンツプライが黙っていない気がします。またおそろしからずや。
 
ラベル:XP-endo
posted by ぎゅんた at 16:39| Comment(4) | ニッケルチタンファイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする