2023年03月31日

ArumGさんとArumBlueさん

AurumG.jpg

ネタがないを言い訳に更新をサボると平気で書かなくなる生き物がダメブロガーであります。

その理由は「変化のない硬直した人生を送っているから」、とか「無気力人間になってしまった」という悲劇的なものではなく、本当に書かなくなってしまっただけのこと。そもそも私は無気力人間なので、ブログの記事もコンスタントに書き続けるタイプではない。書ける気分やタイミングの時に草稿をいくらか書き溜めておき、それらを隙間時間にパズルを完成させるがごとく書き上げている。こういうスタイルは、調子が良いと記事もポンポンと出来上がってくれるのだけれど、いったんサボり癖が起こると途端に供給が途絶えてしまうのであります。



本ブログらしくエンドの話題に戻しましょう。

ここ半年ほどのことなのですが、私が使用するNiTiファイルの構成には小さな変化がありました。
それは、グライドパス用のNiTiファイルと、その後の予備拡大用のNiTiファイルです。

まず根管をネゴシエーションしてマニーの 10-12k ファイルで Patency を確保した後にグライドパス形成用NiTiファイルを根尖まで適応させているわけですが、従前の私は、この作業をデンツプライのプログライダーで行っておりました。しかしおりしも、昨今の円安によってプログライダーの価格は上昇の一途を辿り、材料コストに煩い保険医の顔を引きつらせ始めました。

プログライダーに代わる信頼性のあるグライドパス形成用NiTiファイルが手頃な価格で存在すれば、と常に考えていたところに出会ったのが、記事冒頭に載せた写真にある AurumG であります。

カタログの写真には #25/テーパー.17 との記載があって「んなもん使えるかボケ!」ってな感じですが、実際に購入すると 17/025 規格 となっております。Ciはカタログを真面目につくれ

プログライダーの先端号数は#16で、テーパーもまあ似たようなモノですから、要するにAurumGはプログライダーのジェネリック品として使用して差し支えがないNiTiファイルという判断です。

実際にグライドパス形成時に使用してみると、プログライダーよりも重い弾性感があるものの、同じような感覚で使用でき、破折もしてきません(破折しないわけではないから過信してはいけない。同程度の抗破折性と考える)。使用感覚に違和感がなければ、プログライダーから乗り換えても良いのではないでしょうか。尻軽な私は乗り換えました。


AurumBlue.jpg

同様に気に入っているのが、同社の Aurum Blue Triangle のT1(20/.04)です。安価で、使いやすく、破折しにくいファイルだからです。

AurumG でグライドパスを形成後にこのAurumBlueのT1で予備拡大を済ませると、その後のBassilogic25/.05やWaveoneGoldPrimary(25/.07)などの拡大形成が下書きをなぞる様な感じで容易になるのです。
 
posted by ぎゅんた at 22:19| Comment(2) | TrackBack(0) | ニッケルチタンファイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月19日

韓国製NiTiファイルのAurum Blue T1(20/.04)


IMG_8163.jpg
Ciメディカルにて購入


私の根管の攻略のルーチンは、今までにも繰り返し述べてきたとおりである。

ネゴシエーション
マニー12KでPatencyを確保
プログライダーでグライドパス形成
17/.04 または 20/.04 で予備拡大
25/05-07〜で根管の拡大と形成を仕上げていく

このようなものである。
NiTiファイルを用いた根管治療は、概ねネゴシエーションとグライドパスの形成までが終わればあとは単純作業化する側面がある。それだけ手技がシステマティックで安定した結果が得られやすくなったと言えるのである。これは、隔世の感がある。私は、歯科医師になりたての頃の、ハンドファイルしか使っていなかった時代の自分のエンドを思い出すことができない。時間ばかりかかり、ファイルは回転させることでピッチを伸ばしてしまい、恥ずかしいこととに根管内で何度も破折させていたものだ。そもそも手用ファイルで根管形成を達成することなど正気の沙汰ではないと思う。あの当時、我々学生に偉っそーに指導していたライターたちは、臨床でどれだけ立派なエンドをしていたと言うのだろうか。抜髄後に根充まで何回も根貼繰り返していたが……。


私の思い出話などどうでもよくて、今回の記事の眼目はグライドパス形成後の予備拡大に用いるファイルとして、オーラムブルーというNiTiファイルの 20/.04 を試用してみた、ということである。私の愛用していたEdgeTaoerEncoreのX1およびAF F-ONE の17/.04 の代替になるかの確認が目的だ。比較的安価で、手に馴染み、破折しにくそうなら、使いやすい予備拡大用NiTiファイルに相当するから、それで十分だ。

さて、結論から述べると、悪くない感触であった。
とりたててココがいいとか、お気に入りポイントがあるわけではない。ただ、少なくとも私のスタイルには合っている感じがする。手に馴染んでくれそうな感覚がある。

そんなわけでプログライダーでグライドパスを形成した後は、このファイルで予備拡大を行い、そこからBassiLogicの25/.05 やWaveoneGoldのPrimaryでの拡大形成に移行することができる。安定したパフォーマンスを発揮してくれることを祈るばかりだ。

posted by ぎゅんた at 08:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ニッケルチタンファイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月18日

FANTAの「AF F-ONE」

fanta.jpg

愛用し続けているNiTiファイルは絞られてきました。いつものやつです。

・プログライダー(デンツプライ)
・バシロジック(BSAサプライ扱い)
・Waveone Gold(デンツプライ)
・AF F-ONE(FANTA)


であります。

以前はこの「私のお気に入りNiTiファイルリスト」にEdgeendo社のEdgeTaperEncoreがダントツNo1の勢いで君臨していたのですが、事情はよう分からんが生産をやめてしまいました。

バシロジックはその後継に使い始めました。
コストやファイルの切れ味、操作感のトータルバランスに秀でていて愛用し始めてるトコ。
バシロジックで拡大形成を終えた時に、もう少しテーパーが欲しいなあと思ったらWaveoneGoldで形成を仕上げて根管洗浄して、規格対応GPで根充します。

さて最後のAF FーONE、これは上海のFANTAというメーカーが製造・発売しているNiTiファイルです。
FANTAのことをどこで知ったかは覚えていませんが、なんだかんだ個人的な関わりもあって贔屓にしている会社です。AF FーONEだけでなく、様々なラインナップを取り揃えていますが、どうにもジェネリック・ファイルの域をでないものが殆どです。その中にあって私のお気に入りがAF FーONEなのです。これは刃部が半分フラットなユニークなデザインになっているにも関わらず鋭い切れ味があり抗破折性を有し、debrisが歯冠側に排出されます。先生方が使い慣れているロータリー系NiTiファイルで、特別な回転数やトルク設定もありません。多くの先生方はすぐに導入できる汎用性があります。確かな技術力を感じさせてくれるのでお気に入りなのです。

私が所有しているのは20/.04、25/04,25/06、35/.06です。メーカーサイトで紹介されているエッセンシャルキットが欲しくて仕方がない。多分、プログライダーは不要になります。



つい先日、FANTAの営業の人からFacebookを通じてメッセージがきて少し話をしました。
日本のマーケットにも進出したいと考えているとのことでした。

あくまで私個人のアドバイスとして……

私自身が購入したいから、AF をぜひ売って欲しいこと
日本の多くの歯科医院は歯科材料を通販業社を利用して購入しているので、その中の大手の会社に打診をしてみてはいかがだろうということ
日本の歯科医師はコスト意識に敏感なので、円安や輸送コストの問題はあれど、価格を下げてくれることは絶対であること

を伝えました。

もし私が利用するCiメディカルでAF FーONEが安価に購入できるようになればいうことはない。


FANTA Dental.inc
ラベル:AF F-One
posted by ぎゅんた at 23:53| Comment(7) | ニッケルチタンファイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月31日

FANTA AF-MAX

FANTA AF-MAX.jpg

色々なNiTiファイルを選択できるようになっている昨今であるが、いまなおユニークな性質のNiTiファイルがSAFXP-endo shaper/finisher であろう。

私は前者のSAFに食指が動いたが、専用の器具を揃えないといけないことから検討と導入を見送った。後者のXP-endoコンビは、エンドモーターが有れば使用できたのがありがたかった。その導入は、ファイルを購入すれば良いだけだからである。

果たして、XP-endoコンビは、期待以上のNiTiファイルだと思った。根管内に挿入すると「あっしは根管壁を三次元的に触りまくってやりやす」という返事が返ってくる感触があるのだ。もちろん、複雑な根管内の根管象牙質に全て触れるほどの卓越した性能はない。とはいえ、規格的なロータリー運動のNiTiファイルと比較すれば、より多くの根管壁にファイルが触れることは明らかであるし、頼もしさがある。

実際に使用してみた結果、Shaperだけでも十分だろうと思った。finisherは、仕上げの清掃に使う設計なのは明らかだが、材質が同じNiTiファイルなのだから、根管壁に接触すればスメア層を発生させるだろうと考えられたし、根管洗浄液の攪拌(Agitation)目的なら、既にEndoActivatorを所有していたからでもある。

最終的なところで最も気がかりだったのは、このファイルのコストがズバ高いことである。保険診療で使うには腰が引ける値段なのだ。使うなら、そもそも自費エンドか最終補綴物が自費冠であることを約束してくれる患者さんにならざるを得ないのが実情ではないか。経済力のない保険医は常に忸怩たらざることをえない。



さて、そんなXP-Endoであるが、優れたプロダクトの影には追従品が出てくるのが市場の常というわけで、パクリ品が存在する。それがFANTAのAF-MAXである。なにかの折でFANTAからサンプル品でもらった経緯がある。ただし出来はXP-EndoshaperはおろかFinisherに比べても劣っていて、まだ試作品なのではないか?と思える出来であった。

思うところあって久しぶりに使用してみたが、XP-EndoFinisherの代わりにギリギリ使えるかどうか、といったところである。それにしても、EDDYやEndoActivatorがあれば、不要だろう。Shaperのように根管の形成ができたら嬉しいのだが。

このAF-MAX、海外では売られている地域があるので、一定の評価は得られているようだ。今後のバージョンアップで本物に遜色のないプロダクトに育ってくれれば、XP-Endoコンビのジェネリック・ファイルとして入手できる機会が得られるかもしれないので期待している。
 
ラベル:AF MAX
posted by ぎゅんた at 23:47| Comment(0) | ニッケルチタンファイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月04日

忘れ去られていた子…

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レシプロ系NiTiのウェーブワンゴールドをプライマリを主軸に変わらず愛用しているが、スモール(20/.07)に関しては徐々に使わなくなっていた。

私がアホになったのではなく(元々アホである)、ここには理由がある。


ウェーブワンゴールドでは、根管をネゴシエーションしてPatencyを確保したら、プログライダーでグライドパスを形成し、それから予備拡大のようにこのスモールを使ってプライマリで拡大形成を仕上げる、というのが私なりの手順であった。

しかし、Gambarini先生の論文にあったMIMERACIを意識させられると、レシプロ系NiTiは根管の拡大よりも形成の方に用いたい気持ちが強くなっていった。それをして、予備拡大的にスモールを使うよりは、ロータリー系の類似サイズのNiTiファイルをグライドパス形成後に適応して、そしてプライマリで仕上げる、というふうに自分に中での手順が変化したのだ。

スモールに代わって使用されたのが、今は亡きEdgeTaperEncoreのX1であり、FANTAのAF F-Oneの20/.04、Edge V-file HTの17/.04、EdgeSequelSapphireの15/.04である。これらは製品間で特に大差はない。最近では、世界の佐久間先生のご推挙よりBassiLogicも使い始めたが、プログライダーの後に25/.03を使うだけで程よく素晴らしいパフォーマンスだ。


お前は何が言いたいのか。

ウェーブワンゴールドのスモールが二本、新品未使用のまま余ってるのである……

ファイル管理が杜撰で、色々なNiTiファイルを趣味のように買い求めて遊ぶように使っているから、こういうことになるのである。



そんなわけで
・レシプロ系NiTiファイルやウェーブワンゴールドnに興味があるけど、まだ買ってない
・抜去歯牙でその挙動を確かめてみたいえ

という先生がおられましたら快くお譲りします。というか押し付けますのでご連絡下さい。

抜去歯牙での練習用だぞ!絶対だぞ!

posted by ぎゅんた at 19:21| Comment(0) | ニッケルチタンファイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする