かつてお世話になったNiTiファイルが、上海はFANTA社のAF F-ONE シリーズである。
ファイルの刃部がフラットカット構造になっており、鋭い切れ味とデブリ排出能を備えたロータリー系NiTi系ファイル。わけても20/.04と35/.06のAF F-ONEがお気に入りで愛用していたのだが、FANTA社から譲り受けた分と個人購入した分は既に尽きてしまった。以後は代わりにバシロジックとAurumBlueを使用していたが、AF F-ONEが恋しい気持ちが消えることはなかった。
そんな折、茂久田が扱うボンデントファイルを知った。
見ればこれ、AF F-ONEのフラットデザインではないか。しかし製造元?はFANTAではなくUDGとなっている。
FANTAがUDGにパテントを売ったのかどうかは分からないが、とりあえず日本の歯科業社から愛すべきAF F-ONEを購入できるのは僥倖である。わたしは狂喜乱舞した。
早速、20/.05を注文して届くのを待った。
なぜか2週間ぐらいかかった気がするが、とりあえず届いた現物を確認した。フラットデザインはAF F-ONE譲りだが、ファイルの金属が青い。私は嫌な予感がした。
というのは、ファイルの金属が青いやつは切れ味が鈍くダメダメだからである(個人調べ)。
「青色のやつ」は、柔軟で破折しない靭性があるのだが、肝心の刃の切れ味が鈍チンなのだ。新品の状態はまだしも、繰り返して使おうものなら、なまくらファイルでしかない。基本的にNiTiファイルは単回使用が前提だが、それなら抗破折性よりも刃の切れ味が優先されるべきである。
いずれにせよ、購入したAF F-ONE20/.04もどきはもどきにすぎなかった。切れ味が鈍いのだ。残念な気持ちだ。

よくよく広告を見返したらファイルが青色じゃねえかよえ───っ