2016年12月07日

アポイント制にお悩み?

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今回は愚痴というか生産性のない話。

忙しい時に限って来院されることが多いのがアポなし患者さんです。目の前の事態にあっちゃこっちゃヒーとなっているところに「おかわりもいいぞ!」よろしくコンニチワするのであります。アポなし患者さんの来院と対応に懊悩される先生は少なくありません(ぎゅんたの脳内調べ=ポジション・トーク)。主訴は様々でありますが、いきなり窓口に来て「診て欲しい」となる点は共通しております。

この中には、当然ながら目下治療中の患者さんも含まれる。「仮封が外れた」とか「治療した歯に急な痛みが出て」とかであります。患者さんには申し訳ないことですが、しかし、これは心情的に納得の範囲(自分の治療内容に猛省と改善点があることを教えてくれるありがたい存在であるから)なので、要するに自業自得。可及的に速やかにアポの隙間に入ってもらい、その原因がどこにあったか考察しながら対応にあたることになります。

これ以外は、全くの初対面の患者さん(新患)か過去に通院されていた患者さん(初診)が相当します。たいてい「痛いシリーズ」と「外れたシリーズ」であって、メンテナンスや口腔クリーニング希望希望してこられる方は少ない。痛みと不都合でもなければ、やはり歯医者になんて行きたくないと誰もが思っている現実を知ることができます。

キャンセルや空白時間の来院であれば即応できるものの、不思議とそういう時間はやはり空白時間のまま。マーフィーの法則:「忙しいときに限ってアポなし患者さんの来院が起こる」が成立しそうです。が、この現象の真意は、アポイントが埋まりやすい時間がその歯科医院のおかれた環境にあって患者さんが来院しやすい時間だから、ということにありましょう。

そんなことはどうでもよくて、アポなし患者さんをどう扱うか?は開業医にとって決して疎かにできないことが問題なのです。特に保険医は、診療時間で報酬が上がり続けるものではありませんから、効率よく患者さんを捌いていく診療システムを構築することが必須になります。とにかく処置をこなせば報酬が得られるとばかりに超絶流れ作業的診療スタイルをとる医院もありますし、最小限のスタッフで人件費をおさえ、患者さん一人あたりの処置時間に余裕を持たせる医院もあります。当院は後者寄りながら、最近は来院数が増えて処置時間に余裕がなくなってきています(もっとテキパキと処置をこなす技術が必要…なのだけれど、1hにエンド患者さん四人のアポは眩暈がします)。

来院患者さんが増えるのは歯科医院にとっては当院、嬉しいことなのですけれども、キャパシティを超えての来院はいかに応召の義務があれど医院の対応能力を超えることをして、早急な対応はお断りせざるをえなくなることがあります。当院を選んでくださったご縁ある患者さんでありますから診療したい気持ちは当然ある。けれども、過密なアポイント+既に来院済みのアポなし患者さんの存在が不幸にもそれを難しくする。なぜこの時間に限って来られるのか!と天を呪い、せめて電話をかけてきてくれれば…と思うことがしばしばです。「アポなしできたのはコッチ、待ちますからいいですヨ」と言ってくださる患者さんであっても、流石に2時間も待たせられますまい。

この悲劇を避けるために、どうするか。
・アポイント制をやめるか?
・自院の処理能力を高める方向を模索・実践すべきか?
・アポなし患者さんの来院を前提とした「余裕」もたせた予約にするか?
・アポイント患者さんに割く時間をわずかに削って隙間時間を用意して対応すべきか?
・アポイント制をとっている以上、アポイント来院患者さんが優先されるので、飛び込みは原則、受け付けかねると説明するか?

医療は有限のマンパワー。患者さん一人に割く時間が長くなれば、他の患者さんに本来、割かれていたべき時間をもらっていることになります。アポイントに余裕があれば緩衝されて気にならない現象ではありますが、キツキツな場面ではやはり無理が生ずる。患者さんVS医療従事者という極めてアナログな関係においては、全てがアポイント通り、予定通りにこなせるとは限りません。アポイント制をとりながら、誠に申し訳ないことですが、待っていただくことになります。個人的には、アポイント通りに粛々と治療こなしていくことに快感を見い出すタイプなので、リズムを乱されるのは好みません。


電話なしのアポなし飛び込み患者さんが少なくない気がしますが、それはなぜか。
子どもが風邪をひいて小児科やら耳鼻科にかかっているときに気づいたのですが、「病院」というのは、厳密なアポイントを取らないことが多いのですね。「数日たったら、また来て下さい」とか、「この日の外来受付時間にまた来て下さい」とか。わりとフレキシブル。歯科と違って予約の取りようのない感じですから当然なのですが、アポイントでガチガチな歯科が例外的なのかもしれません。これに慣れていると、歯科も、飛び込みで診てもらえると思って当然のような気がします。歯科が独特で非常識なのかも。

研修医時代に、駅から協力型施設に向かう途中、看板に赤字で「当院は完全予約制です」と表記している歯科医院がありました。「いや予約制って当たり前なんじゃ…」と鼻を垂らしながら横目に歩いていたものですが、これの真意は、「アポなし飛び込み患者さんは対応できません」ということだったのですね。今頃気づくのが私。患者さんが来てくださって忙しいのは嬉しいけれど、時間に追われて診療が荒くなるのは勘弁して欲しいと泣き言をいう私。保険医は、数をこなさないと器具・機器・感染対策費・勉強代を捻出できません。

シンプルな解答は、切羽詰まった状況でもテキパキ対応できるよう、己のメンタルと腕を磨き上げるべく邁進することです。…優等生解答かな、これは。ホンネにところでは「なんとかならんかこれは」と自分に甘い。がっくし。

posted by ぎゅんた at 13:59| Comment(4) | TrackBack(0) | 歯科医院について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月08日

第三者に常に見られる己の臨床〜同僚歯科医師・勤務医の存在

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特に意味もなく不忍池の写真

一度封を解いた炭酸飲料は、いかにキツく蓋を締め直したとしても炭酸が抜けてしまうものだ。歯医者の診療も、身近な第三者の同業者の視線に晒されなければ次第に気が抜けて詰めの甘い処置に成り下がる。どれだけ難しい処置を上手にしても、素人にはその質は理解されず、手を抜いたとしても然りであれば、低きに流れることが人間の正体であるからこそ、気が抜けてしまう。このことを自覚し、そうならないよう律するものが歯科医のプロ意識であろう。

目下のところ、私は父親と診療している。第三者のチェックがあることからくる診療への適度な緊張感があるかと問われると、ないと答えざるをえない。良くも悪くも同族同種経営はぬるま湯で、元祖と本家で争うラーメン屋のような激しいパッションはそこにはないのである。親子共同で歯科医院を営むのは、業界でまことしやかに囁かれているように、やはり、オススメされることではないのだ(他人ではないところからくる感情的な縺れが原因で、余計な喧嘩が生じたり親子関係に軋轢を生じたりしやすい、とか色々ある)。

ほんなら自分の症例をあげればいいじゃんということになるが、まことにその通り。しかしそれは自信がない。これは己の弱さと保身がため。断片とはいえど、実際の患者さんの情報を不特定多数がアクセス可能なネットの世界にアップすることへの戸惑いもある。「地図と現地は違う」という格言がある通り、写真でみる症例と目の前の患者さんの口腔内の症例には隔たりがある。実物の症例をナマでシェアして研鑽を積むことはできやしない。

開業医をやっていると、とかく保守的になる。新たな治療技術の導入やシステムの改善は、常に行われ刷新されていかなくてはならないが、これが滞ることがある。歯科医院の経営が軌道にのると、冒険せずそのままでいたい気持ちになるのである。チャレンジはリスクを伴うからである。守りに入ってしまいがちなのである。

世の中で成功している先生方は、おしなべて勉強家で、知識と技術向上に貪欲である。狭い世界と細い交流からの判断でしかないが、例外はないように思える。そうした先生方は症例発表をこなし、勤務医を抱えているのもほぼ共通している。そこには、同業の第三者による評価に常に晒されていることからくる緊張感が良好に作用しているのではないか。

当院では、水曜日の16:30以降に、友人ドクターに来てもらっている。小児の矯正に明るいので、保護者の相談にのってもらっている。簡単な処置や抜歯を代わりに行ってもらうこともある。互いに自分の臨床を晒け出すことになっているわけだが、それが自分たちにとって良い刺激になると考えている。診療後の食事の席で開業医同士の生々しい情報交換ができるのもよいところだ(ここが一番キモかも…)。

こうしたことが頭にあるから、最近の私は勤務医を欲する気持ちがでてきた。「ただの代診」で雇うのではなく、一緒に切磋琢磨勉強して臨床を楽しみ、治療の引き出しを二人三脚で増やしていけるような相手を渇望する気持ちだ。これは、とても都合のいい話だ。開業医は臨床も人事も経営もひとりで責任つけてこなさねばならない孤独なスタンドアロンな所業と分かっていながら、「自分はひとりで頑張れない子だから一緒にやろう」と誘いの声を発しているのだから。しかし、診療後に一緒に抜去歯牙で練習したり、格調高い種のセミナーに共に殴り込んだり、自分たちの治療の引き出しを整備拡張していったり、診療内容について喧々諤々のディスカッションしたりする、そうした相手が欲しい。

マツダのロータリーエンジンが孤高の存在でありながら凋落したのは、孤高すぎて競い合うライバルがいなかったからと聞いてたことがある。開業医も、孤独でいるよりは忌憚なく競い合える・影響しあえる・勉強しあえる仲間がいるべきだと感じる。できることなら研修医あがりの若いドクターが良い。支払う給料が安くて済むからという俗な理由ではなく、手取り足取り教えるということが、己の勉強にこれ以上とない契機となるからである(理解していないと教えられないし、理解不十分な部分が鮮明になる)。

勤務医を雇うという行為は、雇用者にとってみればリスクがあるしストレスの種にもなる。それを知っていながらも、やはり勤務医を欲するわけである。自分が楽をするためにではなく、己の勉強のためなのである。人は他人との干渉が煩わしいものと理解していながらも、なんだかんだで、やはり人と関わりを持つことをやめない生き物なのである。

余談だが、開業医の悩みの比率は診療・経営・人事がそれぞれ1/3が適切と聞いたことがある。
そうかな?そうかも。
 
posted by ぎゅんた at 10:22| Comment(3) | TrackBack(0) | 歯科医院について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月23日

院内無線の導入

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アリンコアルインコ製。本文で述べるがこのイヤホンは罠であるから選択してはならない

以前に勤務していた先で導入されていたのが院内無線である。スタッフ全員がトランシーバーを装備して、誰かがマイクで発言した内容は、すべての人で共有する仕組み。そんなもんいらんやろ大袈裟なと思ったものだったが、いざ使ってみるとこれはたいそう、便利なのであった。掌返しここに極まれり。


院内無線に対する個人的な感想は、

・なくてもいいが、あった方がスマート
・医院の規模が大きければ大きいほど、効力を発揮するアイテム

といったところ。
ここ10年ぐらいの間に、かなり普及が進んだアイテムなのではないかと思う。効率的な診療を目指すうえでは欠くべからざるアイテムであろう。


実家の医院に帰ったら即導入じゃあと計画していたが、「そんなもんいらん」の反対の憂き目に遭い頓挫。このたび、数年越しに、導入にこぎつける悲願を達成した次第。事あるたびに導入のメリットを訴え続けたこともあるが、業者任せの場合の見積書をまず見せてから「自前で用意したらこれだけ」の見積書を見せたのが決め手だったようだ。


自前で用意する、とは
単純に、以前の勤務先の院長に紹介してもらった店舗に足を運んで揃えただけである。

必要なものはシンプル極まりなく、

・無線機本体
・イヤホンマイク(耳かけタイプ)
・単三電池

の3つで、これを使用する人数分、用意すれば良いだけだ。
無線機も本格的なレベルのものは必要ない。なぜなら、その使用は屋内の広くない空間内で完結する極めて限定的なものだからだ。シンプルで安価で堅牢なものであればあるほど良いのである。

私が購入したのはALINCOのDJ-P221で、純正マイク付きイヤホン、単三電池にエネループProである。無線機本体が9412円、イヤホンマイクが2700円であったから、消費税込み適当計算で約1万3千円ぐらい。エネループProは、口腔内カメラその他で使用しているストックがあったので新規に用意せずに済んだ。

いまのところ、故障やジャミングはなく、快適に使用できている。最初はその使用に戸惑いを隠せなかったスタッフもすぐに順応した。使えば分かる便利さと簡単さがダンチ(死語)だからである。


同タイプの無線を考える方に私からのアドバイス
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イヤホンマイクは耳掛け式(写真左側)を選択すべき。
メガネをかけるから耳掛け式は…という方は、いわゆるウォークマンタイプの、平丸型のタイプがよい(写真右側)。なお、メガネをかけていても耳掛け式は使用できる。
耳栓みたいな、カナル式は絶対にアウトである。カナル式はフ☺️ックであるといわざるをえない。人数分のカナル式イヤホンマイクを買って無駄金を使い悔恨に生きる私からの痛切なアドバイスである。


購入
無線機を扱う店ならどこでも購入できると思うが、オープン価格なので値段には差があるようだ。
私が購入した店は以下のとおりである。

マルツ金沢西インター店
石川県金沢市明町2-267
☎︎076-291-0202
📠076-291-3737
 
posted by ぎゅんた at 21:27| Comment(6) | TrackBack(0) | 歯科医院について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月26日

待合室に置く本 〜 やっぱり漫画がベター?

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 待合室には時間を潰すための配慮として、多くは読み物として本が置かれている。医院や診療所といった小さな医療施設では、待合室にどのような本が置かれているかが、医院のカラーに影響を与える。例えば、漫画雑誌やスポーツ新聞を中心に組み立てるとラーメン屋のようになるし、ファッション雑誌を中心に揃えると美容室のようである。ニュートンや日経サイエンスを置けば頭が良さそうであるし、海外の美術画報などを置けば身分違いの場所感を演出できそうだ。

 さて歯科医院の待合室にどのような本を置くか?それは、医院の責任者次第である。新聞と週刊誌、漫画単行本をバランスよく置いている医院が多いのではないだろうか。新聞も雑誌類も置かず、テレビだけを設置している医院もあるかもしれない。掲示物がたくさん貼ってある医院だってあるだろう。「最近の人はスマホしかいじらないから」と一切なにも置かない医院もあろう。こうすると購読諸費用の節約のみならず、待合室をスッキリさせられることになろう。

 私はいままで、新聞と院長が定期購読している雑誌を置いている歯科医院を数多く見てきた。雑誌は、たいていはゴルフかクルマ、そして週刊/現代/ポスト/新潮/文春らであった。バイト先の休憩時間に、暇つぶしにクルマ雑誌拝借して読んでいるうちにクルマが好きになってしまったのは内緒だ。大きな病院クラスになると、万人向けに、ある程度広い範囲をカバーする「無難な」種の雑誌が置かれていたものであった。AERAやTarzanなどである。漫画本を置いてあるところもあったが、読み古された汚いものがほとんどであった。スタッフからの寄贈なのだろう。綺麗な漫画を置けばウケがいいのになあと思ったものであった。

 さて、医院の改装を機に、待合室の本棚の収納力が増したので私は漫画本を導入することにした。目下、当院には中年〜高齢者の患者さんの来院が多いのであるが、それに迎合した雑誌類だけを置いても刺激がないからである。そして、私はもう少し来院される患者さんの平均年齢層を下げたいと思っている。小児から中年以下までの年齢層にウケがいいのはやはり漫画である。まさか漫画を読みに当院を選んで来院されることはないにしても、待合室に漫画が一切ないのは味気なかろう。私が子供の頃、行きつけの床屋の選定理由は、好みの漫画が置いてあるかどうかであった。待合室での時間つぶしと緊張ほぐしに有益なはずである。

 実際に何を置くかを決めて行きたい。これは医院のカラーに影響を与えるところだから、ブレがないように決めたい。

1.低俗な類の内容や雑誌は避ける
2.健康雑誌を起き、健康への意識を啓蒙する
3.歯科と健康に関する情報を提供する
4,綺麗な漫画本を置く


と、こう考えた。

 当院の理念は「歯を残すお口から全身の健康へ」なので、それを考慮にいれてある。なお、漫画本に限っては、この条件を緩めて娯楽的な路線をとることにした。「趣味に走っただけだろ」と指摘されたら言葉に詰まるかつまらないかのレベルにした。

雑誌は、

・今日の健康
・ヘルシスト
・サライ
・クラビズム(地方誌)
・女性セブン


を置いている。
これらは漫画本を手にしない中年〜高齢者に人気が高い。特に受けがいいのはサライと女性セブンである。

漫画本はかなり多いので、人気の高いトップ2に限って挙げると

1.そばもん
2.進撃の巨人


となる。理由は分からないが、ともかく、当院ではこのふたつが大人気である。これは是非とも読んで欲しいなあと置いた「コウノドリ」「ほたる 〜真夜中の歯科医」「いちえふ」は、いっかな読まることなく寂しい限りである。

 この他、歯科に関する単行本や冊子を置いてある。イチオシは井上孝先生の歯科なるほどボウケン学である。なんと井上孝先生のサイン付きだ(エヘン)。これは、歯学部三年生の時に購入した思い出のある一冊である。あの頃は病理学に興味があって、鼻息荒くOral Pathology 3rd Edition Clinical Pathologic Correlations を購入したりしたものだ。原著の格式高い英語に負け本棚の肥やしになったのはいうまでもない。ちなみにこの本、患者さんに説明する時に用いると破壊力が高い。しかし「ここなんて意味の文章なんですか。」と尋ねられたら死亡 (・・;)




歯科医院は医療機関であるから、公序良俗に反する低俗なものは避けるべきである。例えば、ポルノ記事、ヌード写真等が掲載される週刊現代や週刊ポストは良くない。しかし週刊現代や週刊ポストに限っておっさんらに大人気であったりするのだが。当院も過去には週刊現代を置いていたのだが、医院改築を機にやめた経緯がある。別に患者さんから苦情は出ないのである。同様にゴシップ記事を中心にした女性誌も、品の面でみれば、これもまたよろしくない。ただし、これらもまた、おばちゃんらに大人気であったりする。

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2014年08月05日

歯科医院の「滅菌」は、信頼できるレベルでなされているか?

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歯科医院の「滅菌」は、信頼できるレベルでなされているか?
これは昔から問われて続けられている案件であるが、その答えの実態は各施設の医療人の良識次第である。
滅菌は目に見えないし、その質を追求しようとすると手間とコストが青天井となるのは必至、畢竟、滅菌専属スタッフが必要となる。資金難、マンパワー不足にあえぐ市井の大多数の医院では、滅菌係を個別に雇うなどできようはずもない。各患者ごとに滅菌した基本セットやタービン、コントラを使用し、ディスポの紙エプロンや紙コップ、そしてディスグローブを用意するのが精一杯のところなのである。

嘘か誠か、この時代であっても煮沸消毒のみの医院があるという(オートクレーブがない?)。怖い話だし流石に嘘・冗談の類であろうと思うが、一方で、このような話が出てくるということの背景には「滅菌に力を入れればいれるほど赤字になる」経済的な理由が否定できないでいる事実を見逃してはならない。けれども、医療機関は消毒・滅菌が万全であらねばならない。

とある女性誌に、外来環を算定している医院なら安全と考えてよいとあったが、確かにそう考えても良いが、絶対的に信頼できる判断材料にはならない。滅菌はやはりその施設の良識次第だからである。
また、外来環を算定するにはいくつかの施設基準を満たさなくてはならないが、なんとなく企業との癒着を感じさせる点が見え隠れしている。私の医院は口腔外バキュームが無いので算定できないでいる。
ユニットの横に据え置きの口腔外バキュームを設置して、治療時の飛沫を吸引させるための口腔外バキュームを使用するのであれば感染対策として効果的であるし理想的だ。だが移動式の口腔外バキューム(取り回しがよくないうえに作動時に騒音がでる。50万円の掃除機かお前は)でも、所有してさえすればよいのである。
材料屋は口を揃えて「初診料・再診料の点数に加算がつきますから、数年で回収できますよ」と述べるが、なんだか腑に落ちない違和感を感じるのは私だけではあるまい。

少なくとも今の私は外来環算定のために使いもしない高価な機器を買う前に、患者さん用スリッパをディスポに切り替えるとかニッケルチタンファイルのone patient-single useを徹底化するとか老朽化している歯科用ユニットを新調するかを優先させたいところだ。
 
posted by ぎゅんた at 00:37| Comment(0) | 歯科医院について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする