今月の日本歯科医師会雑誌は、個人的に興味のあるトピックについての質の高い記事が多く、かつ「顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2023」をわかりやすく要約してくれた資料まで付属しており欣喜雀躍した次第。神回ではなかろうか。
思うに、日本歯科医師会雑誌は毎月毎月、格式の高い学術記事を会員に提供してくれるありがたい存在である。もっと評価されるべきである。日歯会員になると当たり前のように毎月受け取ることになるからありがたみが薄いのかもしれない。商業誌の方がキャッチーで臨床家向きの情報が掲載されていると思いがちになるかもしれない。
開業医は商業誌から情報を仕入れる向きがあると思うし、かつては私もそうしていた。
しかし、ここ数年は商業誌を買うのをやめた。
日本歯科医師会雑誌を読めばかなりの勉強になると思いいたったからである。
ビニル封を解くまでもなく商業誌を机に積んだままにしている、というスタイルと袂を分かちたかった。
それでなくとも安くない年会費を収めているのだ。これは読まねば無作法というもの。
大切なのは情報の仕入れ先を手広くすることではない。
新しく得た情報を上手に頭にアップデートして自分の臨床を豊かにするよう行動することである。歯科医師は現役でいるかぎり、勉強し続けなくてはならない。勉強を通じて歯科医師としてのレベルを向上させていくことに成功させなくてはならないからである。
自分を頼って歯科医院の門をくぐってくる患者に常に最良の診療を提供できるよう尽くす気持ちを持ち続けていたいものである。
今回のポジションペーパーのまとめ冊子は本当に良かったですよね。再確認できました。
休薬不要、縫合して感染に気をつけろ、根尖病変などある場合は同じことさっさと抜け、とは言いつつ実際問題 顎骨壊死が起きてしまうとあーーってなってしまいます。
当院でも1件ありました。
ポジションペーパー2016から、さらにMRONJ発生防止に寄与する情報が分かりやすく整理されていますから、本当に心強い感じです。素晴らしい仕事やと思います。
ARA投与前に根尖病変を有する患歯や重度歯周炎罹患歯を抜歯するべきとか、新たな戦略方針が立てられるようになって安心感が増しました
幸いなことに当院ではまだMRONJに遭遇したことはありません。ARA服用の患者さんはたくさんおられますし、減っていくことはないと思いますので、知識で備えてはいても怖いものがありますね