モリタのコードレス光照射器『ペンキュアー』は、私が研修医の頃から臨床で使用されていた記憶がある。要するに十数年の、歴史のある照射器といえる。シンプルなデザインで適度な重量で取り回しが良かったので大ヒットした(と思う)コードレス光照射器なのである。欠点があるとすれば、照射部がわずかに大きいことからCRのポスト築造の操作等の時に、隣在歯と接触して被射体に最接近させられないことであろうか。それでも、今なお第一線で使用し続けていられるスペックであり、今日も全国の歯科臨床で使用されているに違いない。なにより重要なのは、このペンキュアー、とにかく堅牢で故障知らずなことではないか。
さてそんなペンキュアー、当院でも10年以上の使用実績がある。故障知らずである。ずっと使い続けている。しかし、バッテリーがへたってしまうことで不調になる場面がある。バッテリー交換というメンテナンスは要するが、バッテリーを交換すれば甦ってまた使用できる。少なくとも、バッテリーの劣化以外の故障は経験がない。鈍器代わりに人をカチ◯っても故障せず何事もなくそのまま使用できるのではないか。過去の任天堂のゲーム機(例えばゲームボーイ、ゲームキューブ)のごとき頑丈さを秘めていそうというか、謎の信頼感すら覚える。
もっとも、バッテリー交換になるとコストがかかるし、決して安いわけではない。
「交換するぐらいなら、安物の照射器を買えや!」という囁きが脳内に響く瞬間でもある。
とはいえ、ペンキュアーの操作感に慣れていると、今更ほかの照射器に浮気する気持ちもあまり起きない。もしいま新たに光照射器を買うにしても、評価の高いVALOのような一級品を買う方が良い。それかCiメディカルで購入が容易なWoodpecker社のものになろう。あまりにも謎な安物は照射強度の面で信頼が置けないからである。また、イチイチ故障されると診療のリズムが狂ってしまい、余計な手間が生じて無駄に時間を浪費することになる。機械や道具というものは、故障しにくく長持ちするものが最良であり、購入者側が優先すべき事項なのだと考えている。大切に使えば世代を超えて引き継いでいけるような道具こそ人類の宝物であろう。直せばまた使える、というのは人類の知恵なのである。
最近読んだ『ヨーロッパで勝つ!ビジネス成功術』にも記載があったが、日本の機械製品ならびにプロダクツは「丈夫で長持ち」をセールスポイントに据えて戦えば良いのではないかと思う。導入時の費用が高くついても、壊れにくく、メンテナンスが容易な設計になっていれば長く使用されていく。そして、その使用され続けていくという実績が比肩なきブランドになるのである。同業者が故障知らずで長く使っている優れた機器を所有していたら誰だって欲しくなるものだ。
ペンキュア枯れててとても使いやすいです。
うちも未だにこれです。今のパワフルな3秒照射には劣るのかもしれませんが開口量不良な患者さんにも使える機械でとても良いです。ただ私は1度ぶっ壊しました。カバービニールが引っかかり頭がすっぽ抜けてLED破損しました。そこそこかかりましたが未だコイツです。VALOの照射器はパワフルですがボタンが固く押しにくく手がぶれてせっかく形成したレジン面に触れてしまったことがあり嫌いです。さらに逆な反り返りで口の中で逆になってることしばしば。未だ慣れません。急ぎはVALO確実性で行きたいときはペンキュアで通してます