私の根管の攻略のルーチンは、今までにも繰り返し述べてきたとおりである。
ネゴシエーション
マニー12KでPatencyを確保
プログライダーでグライドパス形成
17/.04 または 20/.04 で予備拡大
25/05-07〜で根管の拡大と形成を仕上げていく
このようなものである。
NiTiファイルを用いた根管治療は、概ねネゴシエーションとグライドパスの形成までが終わればあとは単純作業化する側面がある。それだけ手技がシステマティックで安定した結果が得られやすくなったと言えるのである。これは、隔世の感がある。私は、歯科医師になりたての頃の、ハンドファイルしか使っていなかった時代の自分のエンドを思い出すことができない。時間ばかりかかり、ファイルは回転させることでピッチを伸ばしてしまい、恥ずかしいこととに根管内で何度も破折させていたものだ。そもそも手用ファイルで根管形成を達成することなど正気の沙汰ではないと思う。あの当時、我々学生に偉っそーに指導していたライターたちは、臨床でどれだけ立派なエンドをしていたと言うのだろうか。抜髄後に根充まで何回も根貼繰り返していたが……。
私の思い出話などどうでもよくて、今回の記事の眼目はグライドパス形成後の予備拡大に用いるファイルとして、オーラムブルーというNiTiファイルの 20/.04 を試用してみた、ということである。私の愛用していたEdgeTaoerEncoreのX1およびAF F-ONE の17/.04 の代替になるかの確認が目的だ。比較的安価で、手に馴染み、破折しにくそうなら、使いやすい予備拡大用NiTiファイルに相当するから、それで十分だ。
さて、結論から述べると、悪くない感触であった。
とりたててココがいいとか、お気に入りポイントがあるわけではない。ただ、少なくとも私のスタイルには合っている感じがする。手に馴染んでくれそうな感覚がある。
そんなわけでプログライダーでグライドパスを形成した後は、このファイルで予備拡大を行い、そこからBassiLogicの25/.05 やWaveoneGoldのPrimaryでの拡大形成に移行することができる。安定したパフォーマンスを発揮してくれることを祈るばかりだ。