2017年02月23日

レシプロック専用ガッタパーチャポイントを用いた根充

MTAfillapex+R40GP.jpg

NiTiファイルで形成を終えた根管には適切なテーパーが規格的に付与されており、側方加圧にしろ垂直加圧にしろ、良好な根充を期待できる「器作り」を終えた根管の会得を意味している。

根充については様々な方法があり、このテクニックがベストと断ずることはできない。

紆余曲折あったが、私は今、テーパードGPを用いたCWCT(もどき)をメインの根充法に据えている。使用しているテーパードGPは、レシプロック関連製品のR25専用GPとR40専用GPである。アペックスへのアジャストは、ポイント先端をガッタゲージでトリミングすることで行う。

テーパードGPは、NiTiで形成した根管にジャストフィットする設計であるはずだが、奇妙なことに、形成後の根管に一致しないのが常である。例えば、25/.06NiTiで形成した後に、06テーパーの25号のGPを根管に挿入すると作業長まで達しない。根管口付近でポイントが壁と干渉していたりする。上顎中切歯のような根管がそもそも太いような根管を除けば実に使用しづらい。結局、ラテラルの変法で、根管口直下でポイントの束をスカッと切断したあとに電熱式根管プラガーでダウンパックすることになる。これはこれでいいのだけれども、やはり形成した根管に、テーパー通りのポイントがメインコーンとして使用できる状況が欲しい。


こうした中にあって、デンタルショーの茂久田ブースにあったレシプロック用GPは、形成後の根管に満足のいくフィッティングをみせた。おりしもレシプロックは、ウェーブワンゴールドを動作させるエンドモーター(Xスマートプラス)で使用できる。私はこう考えた。ウェーブワンゴールドプライマリ(25/.07)で拡大形成を終えた後、レシプロックR25(25/.08)で根管形成を終えてR25用GPでCWCTをすればよいのではないかと。NiTiファイルを破折させないコツは、拡大に使うのではなく形成に用いることだからだ。この原則は、どんな最新のNiTiファイルであっても変わらない。

NiTiファイルを根管の形成だけに用いるとなると、時間と手間がかかる(シンプルな術式でなくなる)。メーカーもその辺は分かっているので、NiTiファイルの弱点は使用中の破折だが、新品で用いればまず破折もしないだろうという設計で拡大と形成を同時に行うプロトコルを設ける。これでシンプルで手軽で手早く規格的な根管形成システムを可能とする製品だと胸を張れるからである。意地悪く言えば、ファイルを贅沢に使い捨てることを前提とした、メーカーウハウハ設計である。常に新品なら切れ味抜群で安全性もダンチだ!

揶揄はともかく、根充の話に移ろう。
レシプロックR25で形成を仕上げた根管の作業長を手用ファイルで再確認し、その長さにほぼ一致してR25GPがフィットするかを確認する作業に入る。ポイント先端をガッタゲージで確認し、オーバーしていればトリミングする(ポイント先端のサイズのバラツキは想像以上に多い)。もし0.5mmほどポイントがアンダーだったりしても、構わない。そしてそのままポイントトライも行う。ラバーダムをしているとこのポイントトライの写真が撮りづらく難儀するのが困りどころだ(折りたたみ式のフレームを使用すべきか?)。わずかにアンダーでも、電熱式プラガーでダウンパックすることで補正が利くので心配無用である。オーバーさえしていなければよい。そして根充(CWCT)に移る。

さて、R25で根充するということは、アペックスの拡大が25号であるから、これは拡大が不足していると考えられる。アペックスは35号以上の拡大がないと確実な根管洗浄の効果が期待されないからである。私も、そう思う。ただし根尖孔のサイズが0.15mm以下の細い抜髄根管ならば許容されるとも考えている。Patencyを確保して、根尖部の触知が硬質で、吸引を併用した頻繁な根管洗浄を行ってあれば、R25GPで根充することが殆どである。根尖部が細ければ細いほど、根尖部に垂直圧を加えることができるし、従来が無菌的と考えられる抜髄根管の根尖部であれば、根尖部を大きく拡大しないほうが望ましいとも考えられるからである。今後の経過を注意深く負わねばならないが、今のところ、R25根充で目立った失敗例がない。もし明らかに間違っているのであれば、早晩、トラブルとなって跳ね返ってくるのでそうとわかる。


AH_plus+R40GP.jpg


感染根管ではレシプロックR25では拡大不足なのでさらなる拡大が必要になり、少なくともR40以上の根充になろう。手順は同じである。隙間が大きくなってくるので、アクセサリポイントの併用も必要になってくる。R40でAHプラスをシーラーにCWCTで根充すると、自己満に過ぎないが写りの良い確認デンタルが得られやすい。重要なのは根尖部の消毒が得られていることや根充後に根尖病変が治癒に向かうかである。見栄えの良い根充写真が良好な予後を保証するものでは一切ないことは忘れてはならないし誤解してはいけない。ただし、苦労して仕上げた根管が綺麗に根充されたことを嬉しく思う気持ちを否定するほどスパルタな臨床である必要もない。
 
タグ:根充
posted by ぎゅんた at 01:26| Comment(5) | TrackBack(0) | 根治(実践的) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
製造上、ガッタパーチャのひずみが大きいらしいです。

数値は正確に覚えてないので申し訳ないですが、ファイルのひずみは0.2%まで、ガッタパーチャのひずみは0.8%まで許容範囲だったと思います。
ガッタパーチャの方が適合が悪いと考えるとジャストフィットしない可能性が高いので、トリミング、シーラー、加圧圧接は必要なものと考えています。
Posted by ShinyaM at 2017年02月23日 11:20
ShinyaM先生 コメントをありがとうございます。

細いし小さいし売れまくるものでもないし、規格上許されている誤差がある以上、ポイントの先端精度にはバラツキがあってしかるべき理由が存在している、というところでしょうか。

ちなみ本記事中のレシプロック専用GPの先端サイズもバラツキがあります。ノーチェックで使うのは怖いのでポイントトライが推奨されます。アペックスとの完全フィットを補正するのが過熱加圧かなと。

ガッタゲージで先端を確認する作業はルーチンです。
しかし、そのガッタゲージすら、製品ごとに差が…

ひとまず私はFEEDで購入したデンツプライの「ガッタパーチャゲージ」を愛用しています。
Posted by ぎゅんた at 2017年02月24日 09:55
ぎゅんた先生
今度cwct法に挑戦しょうと思っています。電熱プラガーを購入するのは仕方がないとして、バックパック用の機材まで予算がまわりません。両方買うとなると27万円もかかります。バックパック用に何か流用出来る機材はないでしょうか?例えば ntコンデンサーで流し込むとか、安上がりの方法は無いものでしょうか?

追伸 PFAマイクロチューブ調子いいですよ〜

Posted by トリ at 2017年03月10日 21:43
トリ先生 コメントをありがとうございます。

ダウンパック後のバックフィリング用機材、アレ、私はまだ購入してません。だって高いし、それ買うぐらいならとクイックエンドその他買っちゃいましたし。

結局はダウンパックした深さあたりまでポストがきたり、バックフィリングしても支台築造時に除去したりするので、真剣に欲しいと思わないのが実情です。

でも空間を置いたままにしておくのもいやなので、まさしく先生のコメントにある、オブチュレーションガッタソフトをNTコンデンサーやパックマックで送り込むことはしています。最近はその後のポスト形成で除去することがわかっていたら、ダウンパック後に根管を清掃してハイブリッドコートUとかデュアルキュア型のボンディング材を重合させてシールしておく手法もとることがあります。緊密な根充をポスト形成でぶっ壊したりコロナルリーケージさせたら何のために頑張ったのかしれませんものね。


PFAマイクロチューブ最高です。
もうこれが純正のチューブでいいんじゃないかってぐらいなじみますね。適度にしなるのが根管に追従する感じで吸引作業の能率をあげます。素晴らしい。ただひたすらに素晴らしい。

ヨシダもトリ先生のこのアイデアに敬服して、スリムインサートチューブには「ソフト」「ハード」のふたつを用意するようになるかもしれませんね。
Posted by ぎゅんた at 2017年03月11日 17:35
ぎゅんた先生 ありがとうございます。無くても行ける事がわかり安心して、電熱プラガーの購入に踏み切れます。
ところでぎゅんた先生のブログを見るようになってから、お金が恐ろしい勢いで無くなっていきます。xスマートプラス、135,000円、ホットスポット88,000円、システムb135,000円。ブツブツいいつつ実は機械物が大好きなのであります。
Posted by トリ at 2017年03月11日 18:47
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