初めて触った「根治」は、右下6の感根処であった。
研修医の時分である。
急化perで痛いと訪れた中年男性であった。
医療面接は自分が行い、急化perと診断、デンタル一枚を撮影して、指導医に説明。
FCKを除冠して感根処、の流れと相成った。
主訴は痛みなので、まずはこの右下6が治療対象となるのである。
デンタルの像を正確に思い出せないが、E-P病変かP-E病変かどっちかな?と聞かれたのを思い出す。
GPXを持ってくるように言われて用意したのを覚えているので、除冠、コア除去、GP除去は行ったのだろう。EMRもあったが、根管を開けていたかは思い出せない。
その後、指導医に交互洗浄したあとにFGを貼薬して仮封しておいて、と指示を受けた。
感根処でFGの貼薬を、ということは、おそらく根管はあかなかったのではないかと思う。
実習でやった通り、ネオクリーナーとオキシドールで交互洗浄を行い、ブローチ綿栓で根管を清拭、FGを貼薬した。こうかくと実にスムーズだが、実態は、結構な時間がかかって苦労したのは言うまでもない。
奥場が洞窟の奥底のあるような、実に遠く、自分の指と手の大きさに戦慄した。
こんな難しい治療、最初から最後まで、出来るようになれっていうのか?
学生時代の根治の実習を思い出した俺は、胃が痛くなった。
2012年03月07日
この記事へのコメント
コメントを書く