2022年03月23日

シュミテクトの試供品を患者さんにお渡しして喜んでもらおう


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みなさんご存知だとは思いますが、紹介


歯磨き粉には、それで歯周病とか虫歯を治せる明確な効果はないし、積極的に使用すればいいと言うようなものでもない。多くの歯科医師はそう考えているに違いない。

メジャーなペリオ用語ではないようだが、「オーラルフィジオセラピー」という概念が昔から存在する。それは簡素乱暴に説明すれば、プラークコントロールや歯肉マッサージを主軸に生体の自然治癒能力を賦活化させて歯周炎の改善を図る療法といえ、そこには運動療法や食事療法なども包括されている。プラークや歯石などの歯周炎を惹起する原因因子の除去療法から、免疫、自然治癒能力をも利用する全身的なアプローチとも言える。ここでは、ブラッシングは重要な要素であるが、歯磨剤は決して使用しないのである。学生時代にレポートに書いた記憶のある先生が多いであろうが、ブラッシング時の歯磨剤の使用は、発泡と清涼感の面から厳格な機械的プラークコントロールの達成を阻害する因子になると見做されるからである。それは勿論、オーラルフィジオセラピーでも肯定される。

いまはどうなのかは分からないが、学生時代に歯周病を学んだ時は、ブラッシング時に歯磨剤は使用するべきではないという論調であった。我々は定期試験でもレポートでも、その旨と理由を紙面に書き綴ったものである。

一方、そんな我々学生も親しくなったペリオの講座の先生も、昼休みのブラッシングには歯磨剤を使用していた。なぜなら、歯磨剤を併用する方が気持ちの良いブラッシングだからである。感情は理論に先行するのである。


私の思い出話などはどうでもよくて、ブラッシング時に歯磨剤を使うべきか否か、使うか使わないか──私は、使用すればいいと思う。発泡剤のラウリル硫酸ナトリウムの為害性がとか、フッ素は猛毒だとか、自然派なみなさんからの歯磨剤に対するご批判があるのは承知だけれども、歯磨剤を使ってブラッシングしたい気持ちがあるなら、使用すればいいと思っている。イエテボリ・テクニックといって、フッ化物配合歯磨剤を齲蝕予防に積極的に利用する手法だってある。やはり使い方である。

さてタイトルにある「シュミテクトの試供品」というのは、GSKヘルスパートナー様が歯科医院向けに提供してくれているサービスを利用することで入手できるサンプルのことである。シュミテクトは、一般人にも周知された有名なブランド歯磨剤なので、その試供品を利用できることの意義は極めて大きい。ブラッシング指導のモチベーションアップや知覚過敏対応、現在歯のう蝕予防への啓蒙など、患者さんの為になる使い方ができるであろう。患者さんが歯磨剤を気に入ったら、ドラッグストア等で気軽に購入できるのもよい。要するに、とても使いやすく嬉しいサンプルというコトである。

ちょっと気前が良すぎる気がしないでもないが、不届きな歯医者が転売活動でもしなければ存続するサービスだと思うので、自院のスタイルに合致したサンプルがあれば請求して患者さんに提供すると良いだろう。
 
posted by ぎゅんた at 08:33| Comment(0) | 根治以外の臨床 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする