2021年03月31日
(続報)やっぱオーラ注やで!
浸麻のカートリッジをエピリドからオーラ注に完全に切り替えて1週間が経ちました。
理屈は皆目わかりませんが、やっぱりオーラ注はエピリドに比べて麻酔の効きが良いです。
気のせいではないと思います。相性が悪いのでしょう。
とりあえず当院の浸麻のカートリッジはオーラ注とスキャンドネストの二本立てでいきます。
今までありがとうエピリド。
2021年03月15日
スペアを兼ねて次のエンドモーター探し
私のエンドモーターの遍歴は、まず白水のエンドミニに始まる。
それから、レシプロ系ファイルの導入に伴いデンツプライのXスマートプラスに移行した。
その後、コードレスのエンドモーターとしてEighteeth のE-CONNECT S を導入して、現在に至るも愛用し続けている。
エンドモーターのなにが怖いかって、それはやはり故障である。動かなくなったら大ピンチだ。動いても、ヘッド部のチャックが緩んでNiTiファイルの把持に問題が出たらマズイ事態だ。
これはつまるところ、私はもうNiTiファイルなしにエンドできない体に調教されているからである。
気づけばE-CONNECT Sを愛機にして2年は経った。
堅牢で故障知らずで取り回しも良好。素晴らしいエンドモーターだ。それだけに、もし故障したらと考えると背筋が凍る思いだ。
慌てた私は、Xスマートプラスがスペア機としていつでも使えるよう確認しなくてはならないと考えた。
埃を被ったままのそれの動作確認をしようと電源を入れたが、起動しなかった。
バッテリー切れに違いないと通電状態で電源ボタンを押したが、なんど試しても反応がなかった。
こいつ、使わずにいただけで故障したのか?
ラチがあかないので、材料屋を通じてメーカーに原因を調べてもらうことにした。
その結果、「修理に16万円かかります。新しいものを購入されては?」という返事が来た。私は失望した。
そこで現行の、国内で入手できるエンドモーターを簡単に調べ直してみた。
ひそかに購入を考えていた白水のエンドミニは既に販売を中止していた。私は落胆した。
さて目下、エンドモーターも進化を続けておりコードレスタイプが主流になっているようだ。
各社から色々と出ているのが、新型コロナのせいでデンタルショーがない昨今のおかげで実物に触れずにいるままだ。日々のエンド診療で自分の掌に預ける器具は、パンフで相性を図れるものではない。ある程度の確信があるのだが、E-CONNECT Sを超えるクオリティのコードレス・エンドモーターは存在しないのではないか、とも思う。
それならE-CONNECT Sを新たに買いなおせばよいのである。
と考えて、前回に購入したルートで打診をしたのだがうまくいっていない。
電話番号を教えてくれればディーラーからそちらに連絡が行くようにする、という流れはいいのだが、肝心の連絡が来ないのだ。
E-CONNCT Sはいまや世界で売れまくっているので、もう個人に個別に売るようなステージは超えてしまったのだろう。日本のような窮屈で自由のない歯科市場は、世界で歯科器具を売っている新興メーカーからすればリスクがあってツマラナイだろうから、E-CONNECT Sが日本で購入できる日は将来的には来ないだろう。
もしあったとしても、既存メーカーを介しての販売になるかもしれないから高価になる。日本製を謳うエンドモーターよりも高いプライスになるだろうから、どこも発売はすまい。そうでなければ、海外製品での勝機に目ざといCiメディカルやFEEDが目をつけないはずがない。いやまあ、私の邪推かもしれないが……
こうなってくるとクオリティに多くは求めず「スペア機」として、ゼータデンタルあたりから半分シャレのつもりで安価なものを購入して備えるのも良いかもしれない。
ただし、あまり食指が動くような製品はなかった。
私が個人的に欲しいなと思ったのは、Woodpecker社の「T-model of Black Ai-Motor」である。Woodpecker社の既存のエンドモーター「Ai-Motor」の、寺内吉継先生モデルという触れ込みのようだ。塊感のあふ黒色のルックスはシャープで格好良い。現代風のエンドモーター然としている。
紹介動画を拝見したかぎり、機器内部に用いられている電子システムがE-CONNECT Sのそれを流用しているように思われたので、これを後継機にできれば、と思ったのだ。
Woodpeckerに入手の可否について問い合わせたところ「登録の関係上、日本では発売できない」との返事であった。薬事法とかあのあたりで引っかかるのであろう。
Woodpeckerの製品は日本でも歯科材通販で姿を目にするので、このBlack Ai-Motorを入手できる日が来るかもしれない。けれども、価格はおそらく安くはない。「相対的であれども、日本は本当に貧しくなった」という厳しい現実を、海外の歯科材料の入手を介して突きつけられる ことになりそうだ。
ラベル:E-CONNECT S
2021年03月09日
エ、エピリドさんアンタ……疑惑
まとめ
エピリドはオーラ注比べて効きが弱い気がするぜ!
ここ1年ほど、当院では主たる局所麻酔薬にエピリドを使い続けてきました。出入りの材料屋さんから「今お使いのオーラ注よりも、購入時の価格が100円以上安くなりますよ」という触れ込みがあり、切り替え採用した経緯があります。購入費が安い薬剤というのは、要はジェネリック品を意味するのであります。
オーラ注自体も、本来のキシロカインのジェネリック品のような存在だと思います。
このオーラ注、私の記憶違いでなければ、発売されたときの歯科医院の喜びは大きかったように思います。局所麻酔に伴う諸経費を軽減できる一手だったからです。実際に、殆どの歯科医院はこのオーラ注に切り替えたのではないでしょうか?
そんな中にあって「オーラ注よりもまだ安い」局所麻酔があるとなれば、更に乗り換えてもおかしい話ではありますまい。
ただしこれは、従来の局所麻酔と同様の取り回しと局所麻酔効果を有することが重要な前提となります。エピリドは、果たしてどうなのか?
果たして、今回の記事で述べる内容は、私個人の勘違いであることを祈るばかりですが、密かに同意を求めたい気持ちも込められています。
それは、エピリドはオーラ注に比べて僅かな差ではあるが、効きが弱いように感じる、という疑念であります。オーラ注の効きが100とすれば、同条件でエピリドは85-95、そんな感覚があるのです。
んなもん術者の浸麻技量がヘボだからだろう、と述べられたら「そうだよね、うん……」と同意せざるを得ないところがあります。歯科局所麻酔というGPにとってのルーチンワークとも言うべき臨床手技は、ともすれば自分の場合は漫然とした姿勢になっているのではないかといつも気がかりであるからです。そこまで私は自分の技量を信じていないところがあるのです。
オーラ注に戻してからは、局所麻酔の手技は同じでありながら効きが良いように実感しております。「こんな感じで効いてたよね」感があります。
ところでエピリドは、ニプロ輸入モリタ扱いの局所麻酔薬なのですが、記憶違いでなければ生産国は韓国だったはず。オーラ注は昭和薬品が自社製造しているようです。
韓国製の医療プロダクツは、超一流ではないかもしれません。けれども、Ciメディカルでも多く取り扱われているように、コストパフォーマンスに優れた2級品以上のクオリティを有するユーザーフレンドリーなものが多い印象です。エピリドは韓国製だから効かない、という浅薄な結論は出せません。値段なり、と言ってしまえばそれまでかもしれませんが。
とりあえず現在、当院で採用している局所麻酔薬はオーラ注とスキャンドネストの2種類。
保険の改定に伴って、浸麻時に局所麻酔薬の点数を算定できる場面が増えてくれたのはありがたいところです。その点数差は1点ですが、それならもう、オーラ注に戻してもいいでしょ、という塩梅。
2021年03月03日
防湿処置にはラバーダムに加えてZOOアルファもね
新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業の、感染拡大防止支援事業の交付金でラバーダム関連の消耗品を思い切ってドガッと購入しました。本当にありがたいことです。国に感謝してもしきれません。ありがとうございます。
基本的には使い捨てなので消耗品としてのラバーダムシートが主ですが、『カーボンファイバー ラバーダムフレーム(レギュラー)』、各種クランプ、そして『ZOO(ジュニアアルファ)』も揃えました。
ZOOは、長年にわたって一番シンプルで小さい「ミニ」を愛用してきましたが、根管吸引用の小バキューム備えるアルファの存在は気になりつつも購入に足を踏んでいたのです。
→Zooラインナップ
というのは、バキュームを利用した根管吸引は、例えばマルチサクションとか器具が存在していましたが、どうにも吸引効果に満足のいくものではなかった経緯があり、畢竟、ZOOアルファにしても根管吸引の効果は期待できないのではないかと考えていたからです。
でもまあ、手持ちのZooの台数を増やしたいという考えは以前から抱き続けていましたし、ラバーダム防湿をするべきだが処置内容的にそこまで…と思惟逡巡する場面が自分の臨床でも多いものですから思い切って購入してみました。サイズは、ミニよりワンサイズアップしてジュニアにしました。機構的にシンプルなのが好みなので、C-ZOOアルファではなく、ZOOアルファを選びました。
結果
大満足する出来。興味はあるけど持ってない先生は、はよう買うんや!
その理由
・ミニよりも大きくなるが成人男性なら適応良好(取り回しが良い)
・根管内吸引がシッカリできる!確実な吸引力
・ディスポチップを装着すればより細かな取り回しのできる拡張性あり
・合着/接着操作時に用いても作業を煩わせることはない
重要なのは、やはり根管吸引の機能が高いことです。初期状態のままチューブ先端を髄腔に近づけるだけで液体を吸い上げてくれるので、シリンジを用いた陽圧洗浄で根管内のdebrisを浮かせたそばから吸引できます。これを目で確認しながら行えるので、根管洗浄が好きになることうけあいです。
他、セット時の吸湿と防湿をロールワッテの簡易防湿と比較にならない良好なレベルで実現してくれます。質の高い合着操作を実現する上でもありがたい限り。
欠点があるとすれば、このZOOアルファを装着した状態での最後方臼歯のエンドは、ラバーダムに比べて器具の操作の面で厳しいことが挙げられるとおもいます。手が小さい先生が羨ましい。
もっとも、こういう場面でこそラバーダム防湿が燦然と輝くのですが。
ラベル:zoo
2021年03月01日
最近の私のシーラーは BIO-C SEALER になりました
メーカーが唄うシーラーの特性が、我々が行う根管治療の成績を向上させる直結要因になり得ることはない。
要するに、シーラーが根管治療の成績を向上させる因子にはならない。
……と頭では理解していても、やっぱりなんか期待しちゃうのが根管治療に従事するドクターの心理というものであろう。
大事なことは根管ー根尖部の機械的&清掃の徹底である。甘えた根管治療をして高価なシーラーを用いて根管充填しても予後は裏切られるし、私も散々に裏切られてきた。恥ずかしい話ではあるが、告白しておかねばならない。
垂直加圧根充を採用してしばらくはレジン系シーラーの代名詞でもあるAHプラスを用いていたが、それより幾度か採用するシーラーに変遷があった。
使っていたシーラーに格段の不満があって変更してきたわけではない。
これは、私個人が新しい材料が好きというか浮気性というか、そういう性格的な影響である。
自分が強い興味を抱いている分野の新材料や器具が出ると触れてみたくなる。
好奇心が旺盛といえば格好いいが、浮気性といえば、そうであろう。
使ってみての感想は記事冒頭のクソコラの通りである。
我々が購入できる現行のシーラー群の中でも、おそらく最も高額な材料になるであろうが、総合的な判断から私はBIO-Cシーラーに切り替えることを決めた。流動性、造影性も自分の好みである。
HydraulicCondensationを行い確認デンタル上で派手なシーラーパフが確認されることがあるが、術後疼痛は今のところ経験していない。材料管理で室温保管でOK、というのも地味ながらありがたい。
国内歯科材メーカー応援の気概もあってニシカキャナルシーラーBGを愛用してきたが、いよいよその座は譲ることになった。ちなみにBGというのはバイオアクティブガラスの意味であり、バイオセラミックとは異なる。
あとは価格が安くなってくれるのを祈るばかりだ。
ラベル:シーラー