売ってるトコ
ネゴシエーション後にPatencyを手用12kで確保してからNiTiファイルでグライドパスを形成するのが私のエンドのルーチン。
その際のNiTiファイルは、色々と試してきたが、結局のところはデンツプライの『プログライダー(16/.02-085)』に落ち着いている。細くて華奢な見た目だが、使用の度にセーフティメモディスクの花弁を一枚千切って管理している限り、ファイル破折は経験していない。これは、ありがたいことだ。しかしコスト的には、もう少し抑えてみたい気持ちがあるのも事実だ。
そこで代替品を探すことにした。
最近の経緯として、販売中止になったEdgeTaperEncoreの代替品としてEdge V-File HTの17/.04と25/.06を採用したところ概ね満足できる結果が得られていた。そこで、このEdge V-Fileラインナップされている13/.03をプログライダーの代わりに使用してみるのはどうだろう、と考えた。
結果
悪くはないが個人的にはイマイチ
12KのPatencyを確保した後に用いることで、根尖孔が0.13mmに拡大された根管に仕上げることができる。これは悪くないのであるが、プログライダーと違いファイルの基部に向かってテーパーが大きくなるわけではない。プログライダーでグライドパスを形成すると、同時に温和で控えめな予備拡大が達成されるようになっているが、それが得られないわけである。だからといって使う価値がないほどでもない。
とはいえ、これを使うなら「最初から素直にプログライダーを使えばいい」のである。
13/.03のファイルは、その材質もあってフニャフニャでゴボウ外見で頼りがない。また、使用中に意図的に根尖方向に押し付ける力を加えようものなら容易にへしゃげてしまう。この程度で即座に破折することはないが、金属疲労が蓄積していれば危ないし、保存すべき根管の本来の走行を乱すような形成につながるかもしれない。プログライダーも使用に際しては神経質なところがあるが、このファイルはそれ以上だ。材質に対してファイルが細すぎるのではないか。
一回のグライドパス形成で、ファイル先端のピッチに伸びが認められることが多い。それだけ、このNiTiファイルの材質には弾性がある。
この状態のファイルをオートクレーブ滅菌にかけると、HTの名のとおり形状記憶性を有することから形が復元するので、限度は未知数だが複数回の使用はできそうだ。「一回の使用→滅菌→もう一回→廃棄」のルールを遵守する範囲なら、おそらく、大丈夫であろう。
同製品の17/.04と25/.06も使用しているとファイル先端が間延びするが、比較的しにくいので(心理上は)安心できる。ただ、こちらは滅菌しても復元が弱いようだ。どういうことなの。
私は先端が間延びしたファイルは問答無用で廃棄する癖があるので、たとえ滅菌してピッチが戻っても再使用に躊躇してしまう。そういう意味では、過去のHyflexEDMでもそうだったが、あまり相性が良くないNiTiファイルのようだ。