2020年04月14日

シールインシャインで光沢が得られるぞ

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出入りの業者さんに「先生、これいいっスよ!」と押されて購入した記憶があるレジン系光沢剤。

TECやプロビの仕上げとして、塗布して光照射すると光沢が出ますぞ〜というもの。昔、GCがGコートという製本を出していた記憶があるが、あれと似たようなもの(?)。

便利そうだが、意外と臨床では出番がなく、開封もしないまま使用期限を迎えそうである。

使い所としては、プロビの仕上げレジン剥離ポインティング部を即時重合レジンで修理した後の艶出しぐらいのもので、要するに保険点数の評価がない範囲の処置に過ぎない。既に充填されているCRに適応しても光沢が得られるが、塗布した部分だけがテカっても仕方がない。

割と遊び心が試されるような、ようわからん製品とくところ。嫌いではないが、臨床上必須の材料では、決してない。

そんなわけで、私はこの製品の臨床的な活用方法を知りたいものであります。
ウチはこういう使い方してるよ!とかコメント頂けると嬉しいです。
 
posted by ぎゅんた at 01:20| Comment(1) | 歯科材料・機器(紹介・レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月01日

ボンドマーライトレス

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塗布・エア乾燥後に光照射する必要のないことが最大の特徴とする2ボトル-ワンステップ型のボンディング材、という触れ込みの製品。私も古い人間なので、塗布後の待ち時間がゼロって大丈夫か?と思うが化学メーカー・トクヤマを信じるしかない。

結論から先にいうと、有望な性能の製品だと感じ、気に入って使用している。接着で重要なのは長期安定性であるが、今のところテクニカルエラーに起因する早期脱落は経験していない。混和液のB液がいかにもケミカルな臭いを発するのが玉に瑕。


さて歯質接着といえば、エナメル質や象牙質表面にボンド層を設けることで発現させているわけであるが、特に重要な象牙質の接着は、今でも変わらず樹脂含浸層のセオリーで説明されているものと思われる。マイルドに脱灰させた象牙質に機能性モノマーを浸透させるところは変わっていないだろう。

このボンドマーライトレスが、果たしてどのような接着メカニズムを有しているのかは、接着畑にいた身として関心がある。被着面に機能性モノマーが一面に張り付くことで、その後に追加されるコンポジットレジンの未重合モノマーと接合するのだろうか。接着畑から距離を置いて時間が経つとイマイチ、接着のメカニズムに疎くなっていけない。

そんなわけで問い合わせてみたところ、この製品に明るい担当者が当院に来院の上詳細を説明してくれる運びとなった。私は喜んだ。メーカーの人間と製品について歯科理工の知識を交えて会話できるのは、歯科医師にとって知的好奇心に満ちた大きな楽しみだからである。デンタルショーでは、メーカーの担当者とこうした話ができる場面があり、それを楽しみに会場に足を運ぶ先生も、多いだろう。

しかし、この度の新型コロナの社会的な蔓延と情勢不安によって延期されてしまった。
そしてまた、石川県で予定されていた春のデンタルショーも延期されてしまった。

仕方のないことだが、持て余した怒りはCOVID-19にぶつけてやろうと思う。
いまだ感染の広がりに衰えの見えないことに不安を抱きつつ不要不急の外出を忌避することしかできない毎日がすぐ去ってくれるのを祈るばかりだ。

posted by ぎゅんた at 20:02| Comment(0) | 根治(回想) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする