目下、根管の拡大形成に用いているNiTiファイルは主にプログライダーとEdeTaperEncoreのコンビ。性能に対して大きな不満もなく、手に馴染み、臨床結果を導いてくれる愛用のコンビであります。
一方、新製品に対して浮気性な性分というのはあるもので、別の製品に食指が動くことがあったりもする。
そんななか、SmileUSでEdgeendo社の別の類似ファイル、EdgeSequelSapphireの存在を知った。製品ガイドによればEndoWave, VortexBlue, Race, BioRaceの互換ファイル(ジェネリック)であるという。これらは、未だに愛好家を抱える世界的な評価の高いレジェンドクラスのNitiファイルでありますから、ゾロ品といえどクオリティの高い品を市場に提供するEdgeendoなら、良さげなNiTiファイルではなかろうかと推察することができる。
ひとまず試用してみたくなったので汎用性の高そうな25/.06を購入してみた次第。製品説明では500rpm,4.0NcmとなっているのでEighteethで設定して用いる。ファイルの通電性が確保されているのでEMRとの連動も可。
このサイズのNiTiファイルはEdgeTaperEncoreのX2と同じであるから、私なりの根管拡大形成の基本的なプロトコールである
プログライダー≫EdgeTaperEncore:X1≫EdgeTaperEncore:X2≫ウェーブワンゴールド・プライマリ…
※最後がウェーブワンゴールドなのは、根充時のマスターコーンにウェーブワンゴールドガッタパーチャを用いているため(最終根管形成)
の中に組み込んで使用することができそうであった。
EdgeTaperEncoreのX1で予備拡大した後、X2の代わりに使ってみれば良いのではないか、と考えたのである。
果たして、結果はあまり良くなかった。感覚的な話であるが、EdgeTaperEncoreの方が私の手にシックリくる。このNiTiファイルを使うことでEdgeTaperEncoreの良さを再認識することになった次第である。
ただ、当たり前の話だが、EdgeTaperEncoreのX1の後に更なる拡大を図るならX2を用いればいいだけの話なので不適合な使い方であることは否めない。
プログライダー≫EdgeSequelSapphire15/.04≫同25/.06 …
という風に用いれば良好な操作性を感じながら使えたかもしれない。
根管の拡大形成に用いるNiTiファイルは「なるべくシンプル揃えるべき」という考えは否定されるものではない。
とりあえず私は今後もしばらくはEdgeTaperEncoreをメインに据えてエンド診療にあたるだろう。
とはいえこのEdgeSequelSapphireが悪いNiTiファイルであるとは思わない。柔軟性と抗破折性も高い水準にあり、臨床医が使用するに際して信頼性を有するNiTiファイルだと思う。
そんなかんだで結局のところ「自分の手に馴染む使いやすいお気に入りのファイルを用いましょう!」という、いつも通りも結論に帰結するのである。