2019年05月17日

送られてきたもののな AF F ONE


AfFone_NiTi files_01.Jpg

以前、Facebook上に存在する Internal Association of Endodontic Education, Reserch and Practice という根管治療のグループがFANTA社と共催コンペを開いたので参加したことがあるのですが、その参加賞のプライズが届きました。

記憶から半分くらい抜け落ちていたのでなにごとかと思いました。症例を投稿後、そのコンペの続報も特になかったので参加人数も少なくコンペも盛り上がらず自然消滅したものと思っていたからです。それでも参加賞をキッチリ送ってくるあたり、なかなかに律儀ではないか。

しかし送られてきたファイルは事前に希望したものではありませんでした。「送ってから気づいたけど、あなたが希望した内容のものを間違って送っちゃったてへ♡」とのメッセージ付きおいこらー。

とはいえ、無料でNiTiファイルが手に入るから文句を言うのも野暮であろう。



AfFone_NiTi files_02.Jpg
さて送られてきたファイルの内約は以下のようである

AF F ONE 20 / .04 1box
AF F ONE 25 / .04 4 boxes
AF F ONE 25 / .06 2boxes
AF F ONE 35 / .04 3boxes


1boxの中には、指定号数のファイルが3本とオリフィス用と思われる 17/.12 の1本が専用ケースに収まっている。

可愛い外見ではあるが、ファイルの出し入れがし辛く、オートクレーブ滅菌にも対応していません。
目に余るダメダメ具合なのでこんなケースいらん、というのが残念ながら正直なところ。

そしてまた、送られてきたのが悉く私が使わない4度テーパーなのも困る。使い道がないのである。

過去に記事にしてきた 25/.06 のAF F ONEにしても、以前のサンプルのそれと違ってファイルの材質が柔軟なフニャ◯ンなものに変更されている。それで切削感が以前と同様であれば素晴らしいのだが、残念ながら切削効率が悪化して使い辛くなってしまっている。どうしてこんなことに……。私が愛した AF F ONEは無くなってしまった。



目下、NiTiファイルは

プログライダー(デンツプライ)
ウェーブワンゴールド(デンツプライ)
エッジグライドパス(エッジエンド)
エッジテーパーエンコア(エッジエンド)

がお気に入りで、もうこれで十分である。

そして、これらより更に上位の位置付けとしてXPエンドシェイパー(FKG)が存在します。すごいぞ鉄壁の布陣だ!

納得があって、使いやすくて、お気に入りのファイルが揃っているのであります。
これが幸せってもんかね。



もし04テーパーを愛好する先生で、FANTAのこのAF F ONEファイルにご興味があり、使ってみたいという先生はご連絡下さい。使わない私が持っているよりは、良い未来が待っていると思うからです。少なくとも17/.12はまあまあ使えます(笑

ラベル:AF F-One
posted by ぎゅんた at 13:33| Comment(0) | ニッケルチタンファイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月09日

『クラウンプライヤー』そこそこ活躍の場面があるプライヤー


クラウンプライヤー_00.Jpg

除冠は、日常診療に奔走している歯科医師にとっては馴染みのある場面であります。

実質的には「過去に歯科医師が施した人工物を除去する」後ろ向きな内容に他なりませんし、早急な根管治療を要する場面での除冠などは強い痛みを伴うものです。いかに患者さんに苦痛を与えず最小限の侵襲で短時間に除去できるかが担当する歯科医師の腕の見せ所でもあります。

除冠が得意で大好きで、除冠の必要がある場面に遭遇すると舌舐めずりする、そんな先生は特殊あまりいないと思いますが、少なくとも苦手意識はあまりない程度には腕を磨いておく必要はあると思います。

誰だって駆け出しの頃はチンケなFMCの除去に時間がかかって指導医や勤務先の院長に後ろから蹴りを入れられたり、「止むなし手段」として削り倒したりしたものです(非常に勝手な推測)。

除冠の基本的手法としては、頬側に除去用カーバイドバーで軸面方向スリットを入れてマイナスドライバー用インストゥルメントで抉って保持を破壊して除去する方法が挙げられると思います。これはやはり頼りで確実な方法ですから、第一選択にされている先生が多いでしょう。

次に、スリットではなくホールを形成して、そこに特殊な除去用インストゥルメントを入れて保持を破壊して除冠する方法があります。WAMキーリムーバーが代表的でしょうか。これの良いところは、狙い通りに行けば本当にスマートに除去できることと、基本的に着脱方向に動かしての除去になることから、「スリット」の場合と異なり隣在歯方向に不要な力が掛からないことでしょう。インストゥルメントが差し込まれる空間は、冠内面と支台歯の間になりますから、狙い通りのホール形成の難易度は意外に高いのが難点です。


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さて、本記事で紹介するクラウンプライヤーは、もう少し手法が異なります。

この除去用インストゥルメントを使うべき適応としては、マージン部にプライヤーの嘴が引っかかることが絶対条件だと思われます。引っ掛ける事が出来ればしめたもの。
クラウンプライヤー_02.Jpg
顔をニンマリさせて、冠咬合面に小さなホールを開けて、プライヤーを引っ掛けてちょっと力を入れれば「カラン」と気持ちよく除去できます。

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ええ感じやで!と心の中で快哉をあげましょう。


もっとも、プライヤーに嘴を引っ掛けられるような段差が冠マージン部にない場面の方が多いので万能選手ではありません。
しかし、診療室に用意しておいて損をすることもない器具ではないでしょうか。値段もそんな張りませんしね。
posted by ぎゅんた at 15:44| Comment(1) | 歯科材料・機器(紹介・レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする