2019年01月23日

アンダーアーマーパフォーマンスマウスウェアの終焉


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ここにきて突然の終了宣言がADIより届きました。ずいぶんと唐突で暴力的じゃねえか えーっ

とは言っても導入してから5個ぐらいしか契約が取れんかったんやけどなブヘヘ(←最近気に入っているフレーズ)



このプロダクツの敗因
印象採得から納品まで1ヶ月かかるとか顧客の事情をガン無視したスタイルが印象的でした。上下歯列とシリコンバイトを採ってからお渡しまで1ヶ月とか、そりゃ誰も待てませんて。

装着してると顎関節の負荷が軽減される、というのは自分自身で試しても実感とともに理解できましたが、スポーツ中に装着するのが筋の通った使い方でしたから、私のようなインドア怠惰でスポーツってなに?な豚さんには過ぎたアイテムだったのであります。TCHが持病としてある私はデスクワークの時に装着するのが関の山。ただ、それで仕事のクオリティがあがるとまでは実感できていないのだが。

コンタクト系スポーツをしている中高生にはオススメできるアイテムだったんですけどね。当院は閑古鳥歯科ですからね。仕方ないね。

なんにせよADIはこのブランドの更新がならず提供ができなくなったわけですから、デンタルショーの一角にあったアンダーアーマーなコーナーは消失することになります。ちょっと寂しい気分。3/16-17に石川県産業展示館で開催されるADI.G DENTAL EXHIBITION2019 で担当者にお会いしたら苦情お話をしようと思います。


おしまい
 
posted by ぎゅんた at 20:39| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月19日

隔壁作成〜下顎大臼歯の根管治療


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上顎前歯のところでシートの張りが甘いあたりが3流


下顎大臼歯の根管治療における防湿は、簡易防湿では間に合うことができない。唾液の貯まる口腔底と舌が側に居るからである。舌の微動により唾液が患歯に向かって繰り返し波打っている様を見ると、治療を前に卒倒しそうになる。防湿の叶わない状況での治療ほど術者を厭戦的にさせる条件もない。

例えば下顎大臼歯に根管治療を要する残根状態の患歯があったとすれば、我々はラバーダム防湿が可能かどうかを先ず考える。クランプが掛けられるか否かは、少なくとも下顎大臼歯の保存における分水嶺となる。

この時、歯質に乏しかったり縁下までう蝕が落ち込んでいる箇所があれば、隔壁を設けてラバー防湿の確実性を底上げする必要が出てくる。



私がよくやる手法
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こういう患歯があった場合、根管治療に入る前に隔壁を設ける。

隔壁を設置する「外周」となるエナメル質をサクッと研磨するようにダイヤモンドバーで触って新鮮面を出す。また、周囲の軟化象牙質も除去する。患歯の中央の軟化象牙質はこの時点では除去しない。そのことが接着阻害とCRを築成する作業の足場になるので、隔壁を設ける作業の面で楽だからである。

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接着剤+CRで壁を作る

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クランプを掛けて問題がないことを確認する


→ラバーダム防湿下で根管治療へ


隔壁作成に用いるCRはローフローのフロアブルレジンが扱いやすい。国産の上級品を用いる必要はない。海外製の安物で充分である。
 
ラベル:ラバーダム
posted by ぎゅんた at 17:02| Comment(7) | 根治(実践的) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月13日

前歯永久歯の萌出不全に開窓術


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開窓後に来院が1年以上途絶えていたが、無事に生え揃っていい感じ。プラークコントロールが若干あまく、遊離歯肉に浮腫性炎症が認められるのはご愛嬌(⇒即TBI)


萌出時期の上顎中切歯において、分厚い歯肉に萌出を阻まれているのか、なかなか顔を出さないことがある。保護者の方が「本当にはえてくるのでしょうか?」と心配される。

X線写真を撮影すると、萌出直前を予見させる、歯肉の中に埋まっている萌出直前の所見が得られる。萌出力が弱いためか歯肉が分厚く硬いためか。原因はなんとも言えない(知っている先生は是非とも教えて下さい)。個人差、という便利な言葉で片付けられているように思われる。


こういう場合、我々は開窓によって萌出を促すことができる。浸麻下で、切縁の頭が見える程度に歯肉を除去するのである。そうするとスルスルと萌出するようになる。


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この開窓を行わなくともいずれ必ず萌出するのであろうが、介入した方が萌出が明らかに早いし、保護者に喜ばれる。厚みにして1mm以下であろう歯肉をちょっと取り除くだけで(窓を開いて)、永久歯はスルスルと萌出するのである。生命力を垣間見る、ちょっとしたいい気分。


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術式は簡単で、浸麻して電メス等で切縁直上の歯肉を除去するだけ。歯肉に埋まっていた切縁の姿が確認できたらそれで終わって良い。出血もそれほどしない。術後疼痛もたいしたことはない。


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萌出不全の開窓の保険算定は歯肉切除の点数を準用して120点となる(負担金も少ないので保護者の方にたいへん喜ばれます)。
 
posted by ぎゅんた at 13:30| Comment(0) | 根治以外の臨床 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする