2018年02月27日

【使ってみた】Endo Activaror【根管洗浄】


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スマイルUSにて注文していたエンドアクティベーターが届きました


目下、私は根管洗浄を30Gのイリゲーション・ニードルによるシリンジ洗浄とクイックエンドを用いた吸引洗浄をメインに行なっている。

根管洗浄による disinfection のターゲット・エリアは根尖部1/3である。

ここを綺麗に洗浄するには、Patencyが確保されており、根尖部付近までイリゲーション・ニードルが到達し、積極的に吸い上げるなどして、根管内を満たした洗浄液を再び除去することが重要だろうと考えている。

私が行なっている根管洗浄に不足している要素は根管内を満たした洗浄液の撹拌であった。根管にヒポクロを満たした後にガッタパーチャポイントを挿入して上下運動させたりもするが、効果的な撹拌効果があるものか判然としない。下手したらポンプ作用で根尖にヒポクロを漏らしているかもしれない……私はもっとスマートな方法を欲していた。

エンドの根管洗浄といえば、超音波洗浄が主流であると思われるが、私は昔から超音波な器具と相性が悪い。エンドアクティベーターは超音波ではなく可聴域振動を利用するものである。ポジション・ペーパーかもしれないが、ラドル先生の論文に何度も登場するし、読んだら欲しくなったので購入に踏み切った。自由になる金が少ないと、欲しい気持ちをよそに高価な医療器具は時間をかけて揃えていかざるを得ない(ロールプレイングゲームと同じである)。それはそれで、購入した器具に十分に習熟した上で、さらに求めるところがあって次の器具に移っていける側面もあるから、一概にマイナスでもないのだが。エンドモーターと各種NiTiファイル、クイックエンド、セーフリラックスリムーバー、SEC1-0に続いて、ようやくエンドアクティベーターが仲間に加わった。



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付属のDVDで英語学習もできる親切設計


さてそんなエンドアクティベーターであるが、案外にシンプルな器具なのである。
医療用ポリマー製のチップを洗浄液を満たした根管内に挿入して動作させるだけだからである。

超音波ではなく可聴域振動をポリマーチップで起こすだけなので、キャビテーション効果は期待できない。根管形成して作り上げた「器」となる根管系の形態を損なうことなく(根管壁に物理的なダメージを与えることなく)安全に積極的に撹拌して、側枝をも含めて洗浄する(3D-disinfection)ことを狙った根管洗浄用器具なのである。

どのタイミングで用いるかは、ペーパーから察するに根充前のようだ(海外は即日根充が多いからだと思われる)が、貼薬-仮封前にも行うべきタイミングであろう。作業長から-2mmのところまで緩く収まるサイズのチップを選択し、使用中は2-3mmのストローク幅でポンピングを行う。チップの先端は、作業長から-2mmより先に到達させる必要はない。

スイッチを押すと「ぅヴぃ〜」とポリマーチップが鳴きながら振動する。撹拌は案外にジェントルなマナーを呈し、洗浄液が髄腔から飛び散るようなことはない。振動するチップが患歯をノックすると、患者さんはちょっと不愉快そうな顔をする。洗浄液が透明に泡立つ様は見ていて爽快だ。

ネゴシエーションが達成できなかった根管も、ヒポクロを満たして強制的に撹拌させることで最低限の消毒が達成できるだろう。単三電池一品で動作するような軽量シンプルな構造だが、頼りになる器具であることは間違いない。

エンドアクティベーターは耳目を引く際立った派手さがない地味な器具だが、SEC1-0と同じで間違いのないシンプルさが確かな信頼感につながっているイイモノ感に満ちている。口にしないだけで、愛用しておられる先生も多いのではないだろうか。私もその仲間入りだ。
 
posted by ぎゅんた at 18:48| Comment(6) | 歯科材料・機器(紹介・レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月22日

Retreatment canal のGPの除去は、どう攻めるか?


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※メールでご質問があったので、その返信を兼ねた記事になります


再根管治療において、ガッタパーチャの除去は難渋する局面であります。

根管内に存在するガッタパーチャは「感染源」に相当することから完全除去しなくてはならないわけですが、根尖部の緊密な封鎖を目的として充填されているそれは、除去が単純に困難だからです。

そしてまた、根尖にガッタパーチャを押し出してしまうリスクと戦いながら、根管のネゴシエーションを達成しなくてはなりません。



根管内のガッタパーチャをどう除去するか?は、昔から様々な方法が存在します。

エンジンリーマー
ピーソーリーマー
ゲイツドリル
GP除去用NiTiファイル
GP溶解剤
GP除去用手用インスツルメント

……etc

基本的には、大まかに根管の歯冠側2/3のGPを機会的に除去して、その後は手用ファイルでネゴシエーションを狙うものになると思います。何をどう使うかは、術者の好みが出るところでしょうし、絶対的な正解もなさそうです。



あくまで最近の私が採っている方法ですが、と前置きをした上で話を進めます。

根管の攻略に入る前に(見つけた根管にファイルを突っ込みたくなる衝動を抑えながら)、作業域となる髄腔内の軟化象牙質をスチールラウンドバーで取り除きます。根管口より姿をのぞかせるGPは、ロングネックの号数の小さいスチールラウンドバーを用いてモソモソと大まかに除去します。GPの除去が確認できたら、柔らかなGPにアクセスできること状態と判断して#20のエンジンリーマーを用いて気持ち臆病にGPを除去します。うまくいくと、リーマーが根尖方向に沈むようにGPを絡め取ってくれます。エンジンリーマーで攻めすぎると破折や人工根管を生じるだけなので、ほどほどに留めます。それから、SEC1-0にマニー#10Kを装着してネゴシエーションを狙います。

元々が人工根管であれば「不自然なほどの直線」なのですんなりネゴシエーションは達成できます(しかしこれは、本来の根管ではないので、単純に喜ばしい事態ではないことに注意が必要です)。

本来の根管の走行から逸脱していなかった場合は、多少の粘りや抵抗があるものです。

#10Kでネゴシエーションを達成したら、#12KをSEC1-0に装着して再度ネゴシエーションさせ、交通を確実にします。根管口を覗いて、手用インスツルメントで除去できそうなGPがあれば除去しておき、30Gのイリゲーションニードルで根管内を洗浄し、クイックエンドで吸引します。

その後、グライドパス形成用NiTiファイルであるプログライダーでグライドパスを形成します。そして、プロテーパーネクストのX1でもグライドパスを形成します。プログライダープロテーパーネクストも、その動作はロータリー・モーションであり、根管壁から剥離させたGPを歯冠側に移動させてくれることが期待できるので、根尖から先へのGP押し出しや溢出を防止できるかもしれないという期待を寄せてのことです。GP溶解剤は使用していません。

この後は、ウェーブワンゴールド:プライマリに切り替え、必要な拡大形成を行なっていくことになります。
 

※マイクロで根管を除きながら除去用インストゥルメントでGPを除去する作業は、まるで異物である鮭フレークを根管内より剥離除去するかのような独特さがある。この作業は一度始めると時を忘れて熱中してしまう悪魔的魅力に満ちている。

掛かる時間はともかく、正確に満足のいく除去を達成できるのであるが、当然、保険のエンドでこれをやることは難しい「もう知らん」と開き直れば可)。
posted by ぎゅんた at 08:42| Comment(6) | 根治(実践的) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月19日

セカンドオピニオン〜これは残せないので抜歯かなと言われた歯の行く末

来院される患者さんには主訴があります。
歯が痛い、歯茎が腫れた、詰め物が取れた、歯石を取って欲しい……etc

患者さんの治療に当たって、なにを重要視するか?は術者のポリシーが大きく関わってくるものです。

安定した治療を提供するためであると画一的な流れに乗せてしまうことを優先するタイプ
自院の哲学をまず懇々と説明してから医療面接を始めるタイプ
正当な医学的理由があれども主訴の解決を優先するタイプ
などなど。

多くの先生は、一番最後の「まずは主訴の解決」を優先するタイプなのではないかと思います。私自身がそうだから、同調の意見を欲するポジショントークでもあるのですが、さはさりながら、患者さんが「好き好んで誰が行くか施設」である歯科を受診するにはまず明確に理由があるわけで、それこそが主訴であるならば、やはりその解決を優先することが患者さんに寄り添う現代医療的姿勢であろうと思います。患者の主訴を叶えることが治療の成功であると考えてよろしいのではないかとも、思います。これは、まっさらな状態からお付き合いが始まる新患の患者さんであれば殊更に重要な姿勢ではないかと考えています。

そんな中、セカンドオピニオンを求めるタイプの主訴を抱えた患者さんもおられます。
この場合、主訴の中には前医の治療方針に納得できなかった心理が少なからず含まれることになります。

人間と人間には相性があるし、世の事象には、タイミング次第で幸福にも不幸にも振り分けられたりするランダム性があります。砂を両手ですくい上げれば指の隙間からこぼれ落ちる砂粒が必ず生じるように、どんな名医であれ良医であれ、全ての患者さんを満たせることは、残念ながらないのです。勿論、自分の力量不足で患者さんに不信感を抱かれてしまう未熟さが原因の場合もありますが。

セカンドオピニオンは、様々に複雑な経緯があって患者さんが前医の説明に完全に納得できなかったために生じたものと理解しています。

さて、「この歯は残せないので抜歯と言われたが、どのようなものか診て欲しい」という理由で来院される患者さんは、稀ですがおられます。

経緯・詳細・背景については(ここでは)さておき、「抜歯と言われた歯があるが残したいので、残せるものかどうか診て欲しいのだが」というケースになります。歯を失うか残せるかは、やはり患者さんにとっても大きな局面だからです。

根管治療によって保存を狙う上で必ず確認しなくてはならないのが、歯根破折や亀裂の存在です。もし存在すると、その部の細菌感染の除去は絶望に陥りますし、生体はすわ「異物だ!」と大騒ぎし始めるからです。エンドがどれだけ進歩しても歯根破折や亀裂には(まだ)勝てないのが現状です。

患歯が縁下残根であり、補綴を計画するなら外科的挺出か歯冠長延長術の検討が必要になるでしょう。安定パターンでいくなら「根面板+残根上義歯」になりますが、義歯を厭がる患者さんには適応できません。歯冠長延長術は、手技的に私はもうひとつ自信がないし、(保険でやろうとすると)歯周基本治療を終えてからの長丁場になるので、外科的挺出を選択することが殆どです。奈良の変態紳士先生もおっしゃってましたが、歯周外科に明るくなることが歯の積極的な保存や延命にこの上ない恩恵となりますから研鑽を欠かすことができません(反省)。

いずれにせよ「歯を残す」と言うと簡単ですが、そのためには様々に勘案しなくてはならない要素が多いものんです。予期せぬ伏兵に邪魔をされて失敗に帰することもあるため、ある程度の予防線を張った慎重な姿勢が望ましいでしょう。「残せますよダイジョーブダイジョーブ」と安請け合いして、結果的に抜歯になってしまったら、ばつが悪いどころか、患者さんの顔に泥を浴びせかけるようなものです。



卑近なケース@
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本当にそう言われたのかどうか、ご本人の勘違いのような気がするが「抜歯」と説明された#47。根尖病変を抱える樋状根。歯根に亀裂や破折はなさそう。近心マージン部二次カリ、規模の大きい金属コアが入っている。いけそうだ。

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根管へアクセスするために修復物を「オートセーフリムーバー」で除去する。ポストアンレー。

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根管内をスチールラウンドバーで大まかに清掃して確認デンタル写真。歯根に亀裂破折はなさそう。

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近心根をウェーブワンゴールド:ミディアム、遠心根をレシプロックR50で仕上げて根充。
シーラーにはニシカのキャナルシーラーBG。


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縁下残根のため抜歯と言われた#15。根管は狭窄しており、歯髄壊死が疑われる。歯根の破折は無いであろう。

クランプを掛けられないが、根管治療を素早く終えて根充して根面板にすることでなら保存できそうだと考える。当日は写真撮影、軟化象牙質除去(根管口の確認)、仮封、説明で終える。

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initial treatmentを開始したその日に根充(感根即充)。
壊死歯髄で2根管であった。シーラーにはニシカのキャナルシーラーBG。



根充まではできたが、果たしてその後、どれだけ口腔内で機能してくれるか術者の不安は尽きない。「手術は成功した。しかし患者は死んだ」では、やっぱりブラックジョーク。自分なら歯を残せる!と誇り高く根管治療を終えたとしても、その歯が口腔内で機能し続けていってくれるかは、また別の話になるからです。
 
posted by ぎゅんた at 12:46| Comment(4) | 根治(考察) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月17日

(論文紹介)"ENDODONTIC DISINFECTION THE SONIC ADVANTAGE"Clifford J.Ruddle,DDS


【要約】
「disinfection:消毒、殺菌」ということで、根管の消毒についてのReview論文。根管の消毒とは、つまるところは感染源の除去と洗浄であり、著者のラドル先生は可聴域振動(ソニック)根管内洗浄装置である『エンドアクティベーター』を考案し、それを用いた根管洗浄である"3D disinfection"を提唱し、長年にわたって実践されている。

根管は、解剖学的に湾曲や側枝などを有する複雑な「根管系」であり、それが理由で根管洗浄不足や側枝由来の病変が出現したりする。

本論文は、根管治療の良好な成績を獲得するために、これらの存在を考慮した三次元的な根管洗浄が必要であることを説くものである。



【感想】
読むとエンドアクティベーターが欲しくなる論文。いや、注文した

エンドアクティベーターは一昔前に登場した根管洗浄のための器具のひとつであるが、さしたる評価を得なかったようで、日本で購入するには輸入業者を頼らなくてはならない。

優れた根管洗浄とは、適切な根管洗浄行なった後に超音波吸引洗浄を行うべきであると思うが、今のところ簡便で安価な製品が登場しているとは言い難いままである。昔から効果的な根管洗浄として、エンドチップを用いる超音波洗浄があるが、私はこの手法は好きではない。

洗浄効果は、確かに高いであろう。しかし、術者として器具の用意が面倒であること、エンドチップの破折が怖いこと、チップ形状はストレートであるから、少なからず湾曲を有する根管根尖部を洗浄しようとすると根管壁にチップが接触して削ってしまう(無用な根管壁のダメージになりそうだし、スメア層だって生じるののでは)ことが気になるからである。

エンドアクティベーターのチップは医療用ポリマーから成り、弾力があり、少なくとも根管壁に切削的なダメージを与えるものではない。根管内の液体を振動させるだけが目的の非侵襲的なチップになっている。

エンドアクティベーターを用いるタイミングは、根管形成のステップが終わった後であり、本論文によれば、

1.6%のヒポクロで根管内を洗浄する
2.(そのヒポクロを)吸引して除去する
3.17%EDTA溶液を根管内に満たして、エンドアクティベーター60秒間作用させる
4.(そのEDTA溶液を)吸引して除去する
5.6%ヒポクロを根管内に満たして、エンドアクティベーターを30秒間作用させる

とある。

エンドアクティベーターを用いただけでスメア層は除去できないため、EDTA溶液を用いる。スメア層を除去した後にヒポクロを作用させて、三次元的な根管洗浄を終了させていることになる。

私は根管内感想と洗浄液吸引のためのクイックエンド(ヨシダ)を有しているし、根管洗浄に採用している Irrigants もヒポクロとEDTA溶液であるから、エンドアクティベーターの導入はまことに容易いのである。



はやく現物が届くのを待つばかりだ。
ちなみに購入にあたっては、スマイルUSを利用した。いつもお世話になってます。
 
posted by ぎゅんた at 16:41| Comment(0) | 根治(未分類) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月14日

Q.「自然閉鎖かしら 根管口が見つからないわ」


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A.「どうだ 明るくなったろう」 〜閉鎖根管について SEC1-0


initial treatment canal にしろ retreatment canal にしろ、一見して根管口を見つけられない「閉鎖根管疑惑」の根管と対峙することがある。「きっと自然閉鎖だろう。無理に探索しないで触れない方がいいんじゃねーノ?」なんて構えていても、実際に臨床で直面した時には緊張感を覚えるはずで、嫌なものなのである。エンドに手をつけることになった患歯を前に、意図的に触れない根管を設定することは気持ちが悪いし、予後に不安を覚えるからである。

自覚症状や打診痛がない initial treatment canal なら、最悪、見つけられなくてもなんとかなりそうな気がするが、明らかな感染状態にあったり、その根尖部に病変を抱える根管であれば看過することはできない。根管の中に感染が必ずや存在するために、後々に根尖性歯周炎を惹起してくることが明白だからである。


卑近な例でいえば、このようなケース
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4根管のようだが、特に近心根の根管が閉鎖しているかのように見える。そしてまた、近心根に根尖部に病変が存在する。根尖病変があるということは、どこかにファイルが通過する道筋があるはずである。

根管口を見つけるために髄腔を整理していったところ、果たして、近心の根管は頬側も舌側も発見できなかった。慢性う蝕の長期的な存在が、第三象牙質となって髄腔から根管を閉塞させていったものと思われる。

さて、どう攻めるか?
Dr.Kimヘッドランプとx2.5ルーペで根管口が存在するであろうエリアを観察しても見つからない。超音波チップで見当をつけて慎重に探索するべきだろうか?この方法は無難な方法だが、集中力が切れると乱雑な操作に化けて穿孔につながりやすい(少なくとも、私は)。

こういうシチュエーションにおいて、目下、私が採っている手法はマニーの21mmの08HファイルをSEC1-0に装着して見当をつけた根管口の入り口付近をノックするものである。うまくいくとプフっとファイルが根管内に入ってくれる。そうしたら08Hの出番は終わりで、Rc-Prep等の拡大補助剤をコートした06Kや08Kに切り替えてネゴシエーションを狙う。SEC1-0の働きは素晴らしく、キツキツで辛そうな素振りをしながらも根尖まで穿通してくれるのである

この後はより慎重に10KをSEC1-0で用いて再び穿通して根管の交通をより確固にし、12KでPatencyが取れることを確認してグライドパス形成に移ればよい。

21mmの08Hを用いるのは「単純に、それで私が上手くいったから」というチンケな成功体験に基づいた理由でしかない。ノックすることで根管見つけてくれればいいだけなので、別のファイルでもできると思う。


卑近な例 その2
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写真撮影具合がアレで申し訳ないが、MBの根管口を見つけられなかったのでこの手法で探索できた#16抜髄症例。この患歯は第一大臼歯だが、上顎第二大臼歯と第三大臼歯にて稀にみられるタウロドント(広髄歯)と思われる。なんとなく「いつもの大臼歯の髄腔な感じ」と異なっていたのが、発見のし辛さにつながっていた気がする。

SEC1-0+08Hで根管口があるであろう位置をノックしていたらプフッとファイル先端が見つけてくれたので、無事発見とネゴシエーションを達成できた。あとは通常通り、根管を仕上げていくステップになる。




根管口が見つからない場合に根管を探索する場面において、この手法が正しいものか確たる自信はありませんが、紹介まで。

なおSEC1-0についてはこの記事も参照にしていただけると幸いです。いい器具だと思います。



※その昔、生田図南先生がセミナーでSEC1-0について「手で根管拡大をできる先生にとってはスーパーマンになる感覚」と説明されていたのを思い出す。正鵠を得た表現である。当時の私はアホ面を引っさげて「フーン」で済ませていたのであった。なぜ俺はあんな無駄な時間を……
ラベル:SEC1-0
posted by ぎゅんた at 16:50| Comment(0) | 歯科材料・機器(紹介・レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする