ここのところ一ヶ月以上、根充の殆どを垂直加圧で行っている。
シーラーにAHプラス、GPのコンパクターとしてパックマック(21mm)を用いている。色々と試した末に、最も安定して結果が得られると分かった組み合わせでもある。パックマック法とでも呼べばよいのだろうか。
パックマック法の長所は、とにかく手早く根充できることである。全ての根管治療にラバーダムを用いることができない以上、根充は可及的に手早く済ませたいからである。また、側方加圧に比べて均質的であることも良い。側方加圧ではスプレッダー挿入で生じた隙間にアクセサリポイントを詰め込んで行くわけだが、アクセサリポイントの形状や大きさを様々に用意しておかないと満足に隙間を埋め尽くすことができない。これは私だけではないと思うが、細いアクセサリポイントはコシがないので、隙間に満足に挿入すらできず(ひしゃげてしまう)ポイントが曲がり破棄せざるを得なくなることがストレスになる。アクセサリポイントのコストが頭をよぎるからである。
なお、パックマックは04テーパーが付与されているので、拡大が不足した根管では適応できない(GPに適切な圧をかけられない)ので、最低でも#25/.05以上のNiTiファイルでの最終形成が求められる。加えて、根管壁は規格的で平滑に仕上がっていないとGPに適切なフロー圧が加わりにくくなるようだ。
パックマックに類似のコンパクターにNTコンデンサーが存在するが、こちらは02テーパーである。NTコンデンサーでも同様の根充が可能であるが、私はパックマックの方が使いやすいと感じる。
パックマックかNTコンデンサーのどちらを選択するか。これは、単に術者に合った方を選択すればよいだけで使い分けが求められることはあるまい。使い分けといってもテーパーの違いでしかないし、まさか根充する根管のテーパーが2°だからNTコンデンサーを、というものではない。02テーパーの根管では根尖部の充分な洗浄が不可能だからである。
今のところ感じている欠点は、作業長が25mmを超える根管や根尖部に強い湾曲のある根管では根充が難しくなることである。この場合は、ぽるけった先生に教えていただいたFPコアキャリア法を用いると安定する。フレックスポイントネオ自体のコストは高いのだが、パックマック法で用いるAHプラスとオブチュレーションガッタソフトがあれば施術できるので、実質的なコスト像はさほどでもないの魅力的だ。