キシリトールを定期的に摂取し続けていれば口腔内の虫歯菌の数を減少せしめることが可能です。これは過去にも記事にしたとおり。ひととき流行ったキシリトールも、最近は沈静してしまいましたが、その有用性は確かなものとして残っていると考えます。
昔からカリエスと歯周病の予防として甘味制限の指導をしております。単純に、プラークが砂糖からくるミュータンス菌の不溶性グルカンにあるからです。プラークの機械的除去が必須であることは勿論ですが、プラーク自体の量を減らす根本的な対策として、砂糖を摂取しない策があるのではないか。これは名著「トータルから口をみる」(谷口威夫・著)にも記載があり、初めて読んだ時に膝を打ったものです。
小児・成人に限らず、カリエスの多い人は食生活に問題があることがほとんどですから、そこを是正して初めて治療しなくてはなりません。また、砂糖を積極的に摂るメリットもあまりないように思います。甘いものを意識的に避けていても、現代の食生活事情においては、すべからく砂糖が加工食品の名の下に含まれているわけで、積極的に甘いものを口にする必要がないことになります。と同時に、プラークが産生されるので、これはブラッシングにより除去を図らねばならない。何れにせよ、砂糖を意識的に摂ることは避けるぐらいが、現代人にはちょうどよい落とし所になるのではないか。
砂糖は中毒性があるようですから、摂取が習慣になっている人はなかなか摂取制限が困難です。咄嗟に甘いものを口にしたくなると訴えるも少なくありません。こうした人へのひとつの救済策としてもキシリトールが利用できます。タイトルにある「歯医者さんが作ったチョコレート」は、キシリトール100%でありながら普通のチョコレートと遜色のない味に仕上がっています。寝る前に歯磨きをしたあとに食べても大丈夫という点が実にユニークで、小児に「よく頑張ったね」とプレゼントすると喜ばれます。
チョコの代替品としても、キシリトールの定期摂取用としても、ジョーク的なお菓子(贈り物)としても使えるので気に入っている商品です。
【余談】
キシリトールの摂取でお腹が緩くなるのは、水分を吸い取ったキシリトールが腸内で水分をリリースするため。大量摂取しない限りは身体がすぐに順応するので心配無用。
むし歯を予防するキシリトール入り | 歯医者さんが作ったチョコレート