まとめ
・エンドミニと減速コントラでニッケルチタンファイルとEMRを連動させられる
・西連寺トレーディング の「エンドミニ」はFEEDから購入可
ニッケルチタンファイルを用いる時、EMRにつないだまま使用したいと思うことはないだろうか。ニッケルチタファイル先端が根管内の、根尖よりどれだけ歯冠側にあるかをEMRを通じて掌握しておきたくはないだろうか。私は、そうである。基準点とラバーストッパーに合わせたファイル操作がイマイチ信用ならないというか、信頼できないところがあるのだ。
この要求をみたすニッケルチタンファイルには、モリタのエンドウェーブがあるが、現行のRootZXと、それに繋げるデンタポートが必要である。デンタポートはRootZXと連動し、トルクコントロールやオートリバース機能がついておりファイル破折防止の機構が魅力的。注水はできない。ファイルを動作させるのは、根管内に挿入して、EMRと通電が生じることで行われる。任意に動作させたいなら、別売りのフットペダルを用意することになる。ニッケルチタンファイルに関しては、エンドウェーブに限らず他社のニッケルチタンファイルを流用できるので、(デンタポートの)サイズや取り回しが気にならないなら購入するとよいだろう。デモ機があるはずなので、まずは触れてみるべきである。
さて、このような前置きをダラダラと書いておきながら、私はデンタポートを所有していない。デンタポートが接続できない初期のRootZXがあるのみである。ニッケルチタンファイルは松風のMtwoファイルを用意しているが、PMTCで使うようなコードレスの減速コントラにつけて使用している。手用ファイル#25でアペックスをとった後に、作業長より短めにラバーストッパーを合わせて#15.06 → #20.06 → #25.06 の順で拡大している。いってみればクラウンダウンではなくフルレングスで、その後の手用ファイルによる拡大を用意にするために行っている。ストレートラインアクセス形成はゲイツ#2.3.4で行っている。結局のところ、世の高名なエンドドンティストのように、ニッケルチタンファイルで根管拡大と形成を行っているわけではないのである。格好よく言えばハイブリッド法と言うのかもしれないが、正確に言えば中途半端な使い方に過ぎない。そして、やはり私は作業長を基準点とラバーストッパーで規定する手法が好きになれない。かといって、デンタポートを使うために、今使用している初代RootZXに加えて現行のRootZX(とデンタポート)を買う余力はない。
エンドミニ(西連寺トレーディング)
どんな道具かというと、臼歯での手用ファイルの操作を、そのコンパクトさから楽にするためのもののようである。応用すれば根管内でのファイルの位置を確認しながらの機械的な使用が可能である。推奨されないが、通常の等速コントラにニッケルチタンファイルを装着し、ファイルにこのエンドミニの一方をつけ、もう一方をEMRのファイルクリップに接続すれば、等速コントラでデンタポートっぽいことが可能になるわけである。
私は減速コントラとタスカルウィズにニッケルチタンファイルを装着して用いている。これなら軽量で半コードレスな感じで使用できる。メーターの反応も通常の手用ファイルとEMRを使用している時と変わらないので、違和感なく、長さを確認しながらニッケルチタンファイルを用いることができるようになった。ファイルからファイルへのクリップの付け替えが若干、手間だが、コスト相応の行為をしているわけであるからそこは致し方あるまい。
なお、エンドミニを購入すると、電気メスを用いた抜髄法についてが書かれた用紙が同封されている。原理的には、コスモデンタルサージ(コスモキュア)の歯髄焼灼と同じで、熱による根管狭窄部での変性を利用したものであろう。