2013年11月30日

ニッケルチタンファイルをEMRと連動させたいならこんな手法はどうだろう?

with Endomini.jpg

まとめ
・エンドミニと減速コントラでニッケルチタンファイルとEMRを連動させられる
・西連寺トレーディング の「エンドミニ」はFEEDから購入可


ニッケルチタンファイルを用いる時、EMRにつないだまま使用したいと思うことはないだろうか。ニッケルチタファイル先端が根管内の、根尖よりどれだけ歯冠側にあるかをEMRを通じて掌握しておきたくはないだろうか。私は、そうである。基準点とラバーストッパーに合わせたファイル操作がイマイチ信用ならないというか、信頼できないところがあるのだ。

この要求をみたすニッケルチタンファイルには、モリタのエンドウェーブがあるが、現行のRootZXと、それに繋げるデンタポートが必要である。デンタポートはRootZXと連動し、トルクコントロールやオートリバース機能がついておりファイル破折防止の機構が魅力的。注水はできない。ファイルを動作させるのは、根管内に挿入して、EMRと通電が生じることで行われる。任意に動作させたいなら、別売りのフットペダルを用意することになる。ニッケルチタンファイルに関しては、エンドウェーブに限らず他社のニッケルチタンファイルを流用できるので、(デンタポートの)サイズや取り回しが気にならないなら購入するとよいだろう。デモ機があるはずなので、まずは触れてみるべきである。

さて、このような前置きをダラダラと書いておきながら、私はデンタポートを所有していない。デンタポートが接続できない初期のRootZXがあるのみである。ニッケルチタンファイルは松風のMtwoファイルを用意しているが、PMTCで使うようなコードレスの減速コントラにつけて使用している。手用ファイル#25でアペックスをとった後に、作業長より短めにラバーストッパーを合わせて#15.06 → #20.06 → #25.06 の順で拡大している。いってみればクラウンダウンではなくフルレングスで、その後の手用ファイルによる拡大を用意にするために行っている。ストレートラインアクセス形成はゲイツ#2.3.4で行っている。結局のところ、世の高名なエンドドンティストのように、ニッケルチタンファイルで根管拡大と形成を行っているわけではないのである。格好よく言えばハイブリッド法と言うのかもしれないが、正確に言えば中途半端な使い方に過ぎない。そして、やはり私は作業長を基準点とラバーストッパーで規定する手法が好きになれない。かといって、デンタポートを使うために、今使用している初代RootZXに加えて現行のRootZX(とデンタポート)を買う余力はない。


エンドミニ(西連寺トレーディング)
Endomini.jpg
どんな道具かというと、臼歯での手用ファイルの操作を、そのコンパクトさから楽にするためのもののようである。応用すれば根管内でのファイルの位置を確認しながらの機械的な使用が可能である。推奨されないが、通常の等速コントラにニッケルチタンファイルを装着し、ファイルにこのエンドミニの一方をつけ、もう一方をEMRのファイルクリップに接続すれば、等速コントラでデンタポートっぽいことが可能になるわけである。

私は減速コントラとタスカルウィズにニッケルチタンファイルを装着して用いている。これなら軽量で半コードレスな感じで使用できる。メーターの反応も通常の手用ファイルとEMRを使用している時と変わらないので、違和感なく、長さを確認しながらニッケルチタンファイルを用いることができるようになった。ファイルからファイルへのクリップの付け替えが若干、手間だが、コスト相応の行為をしているわけであるからそこは致し方あるまい。

なお、エンドミニを購入すると、電気メスを用いた抜髄法についてが書かれた用紙が同封されている。原理的には、コスモデンタルサージ(コスモキュア)の歯髄焼灼と同じで、熱による根管狭窄部での変性を利用したものであろう。
 
posted by ぎゅんた at 01:56| Comment(0) | ニッケルチタンファイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月26日

シランカップリング剤とレジンセメント 〜 市井の臨床家として、なにを揃えるか?

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オールセラミクス冠やセラミックインレーをセットする際に、被着面処理に用いるプライマーがセラミックプライマーである。セラミックはレジンと接着しないため、セラミック表面のシリカに特殊な化学的処理を施すことで介在するレジンセメントと接着できるようになる(シランカップリング)。硬化したCRに追加でレジンを接着させる際にシランカップリング処理行う事があるが、あれはコンポジットレジンのフィラー(シリカ)表面にレジンを接着させたいがためである。要は「レジンとレジンはよく引っ付く」という理屈であり、シランカップリング処理は、シリカの表面をレジンに化けさせる処理と考えればよい。そしてシリカを含む材質が、セラミックでありポーセレンでありハイブリッド(CR)である。


我々臨床医がシランカップリング処理を行うとすれば、おそらく以下のケースが多いのではないか。

1.CRの追加修復(前装冠のリペア、CR・CRインレーの二次カリエスのMIとしてCR充填)
2.ハイブリッド系修復物(インレー・クラウン)合着前の被着面処理
3.セラミック系修復物(インレー・クラウン)合着前の被着面処理
4.レジンコア合着前の被着面処理

自費のセラミック系、ジルコニア系の修復物・補綴物をセットする機会が多い先生はシランカップリング処理と接着システムについての理解は避けて通ることはできない。保険診療がメインであれば、CR修復や前装冠レジン部のリペアやCRインレーのセットの時に用いることになろう。


What do you choose to?
世の中には各メーカーから接着システム(製品)がたくさん出ているので、なにをどう使い分けるか、ちょっとした混乱にとらわれている先生方は多いはず。それは私とて例外ではない。

材料は「何を使うかではなくどう使いこなすか」が肝要であるが、「どれを使いこなすか」を手っ取り早く知りたい、決めたいと考えるのが大半の臨床家の心情であろう。


まずは、セットする対象物からどんなセメントを選択するか分けてみよう。

金パラ、銀合金がメインのもの
→GIC or レジン添加型GICでOK

ゴールド、メタルボンド(PFM)
→レジン添加型GICでも可だが、メタルプライマーと接着性レジンセメントでの合着がベター

セラミック(ポーセレン)、ハイブリッド
→シランカップリング剤と接着性レジンセメント

ジルコニア
→ジルコニアプライマーと接着性レジンセメント or ジルコニアに対して接着性を発揮するセルフアドヒーシブ系のレジンセメント※1 or 特定のシランカップリング剤と接着性レジンセメント組み合わせ※2

こんなところだろうか?


保険で扱う金銀パラジウム合金のセットは、GICやレジン添加型GICで事足りる。ここには接着力は期待していない。機械的嵌合と保持による純粋な合着(ルーティング)によるものである。
自費のゴールドやメタルボンド(PFM)では、機械的嵌合と保持に加え、一応の接着を考慮して、メタルプライマーを用いて接着性レジンセメントで合着することもある。※3

接着性レジンセメントを扱う場合は、機械的嵌合と保持に加え積極的な接着(歯質との一体化)を期待することになる。この場合、決められた手順に則った被着面の処理が必要となることが殆どで、それに伴いテクニカルエラーが生じやすくなることに注意が必要である。

接着性レジンセメントは、保険ではCRインレーの合着に用いるぐらいであり、多くはそのコストから自費の修復物・補綴物の合着に用いられる。自費のセット、といえばセラミック(ポーセレン)やジルコニアの趨勢だからである。なので、接着性レジンセメントを選ぶ際は、シランカップリング剤が必要かどうかジルコニアに対する接着はどうかを考えることになる。


現在、市場に出回っているメジャーな商品で、これらの接着を考慮して製品を揃えることを考える。
合着する材料は、殆ど「保険での金パラ合金、自費のゴールド・メタボン、セラミック(ポーセレン)・ハイブリッド、ジルコニア」に収束されるであろう。

1.セメント種類を絞ることで合着操作を単純化し、エラーを防ぎたい(安定志向)
→シランカップリング剤とセルフアドヒーシブ系のレジンセメントで対応する

2.保険用と、自費用に、なるべく単純化
→保険用とゴールド・MB(PFM)にレジン添加型レジンセメント、他をクリアフィルセラミックプライマーとクリアフィルエステティックセメントで対応する

3.接着マニア(?)
→保険用にレジン添加型セメント、ゴールドとMB(PFM)にメタルプライマーと接着性レジンセメント、セラミック(ポーセレン)とハイブリッド、ジルコニアにクリアフィルセラミックプライマーとクリアフィルエステティックセメントで対応する/シランカップリング剤とジルコニア用プライマーを用意して接着性レジンセメントで合着する


勤務先は2の形態に近い。保険ではフジルーティングセメント、自費にはエステティックセメントで対応している(自費ファイバーコアの合着にE-Lizeを用いることもある)。

実家の歯科医院では保険用にフジルーティング、自費用にリライエックスユニセムがあるのみなので、あとはシランカップリング剤を用意すればばっちぐぅ(死語)である。シランカップリング剤には、前回紹介したESPE SILになりそうな感じだ。



※1GCのジーセムに始まる、歯面処理不要のデュアルキュア型のルーティングセメント。リライエックスユニセムやSAルーティング、ビューティセムSAなどがメジャーどころ。これらはどういう機序かは知らないが、無処理でジルコニアと接着力を発揮するので、ジルコニアクラウンの合着に向いセメントである。セラミック(ポーセレン)の合着に用いる時にはシランカップリング処理を必要とすることも共通している。

※2クリアフィルセラミックプライマーとクリアフィルエステティックセメントの組み合わせでジルコニア合着に応用できる。同じ手順でセラミック(ポーセレン)、ハイブリッドの合着に使用できる。

※3
GC メタルプライマーU 、松風 メタルリンク 、クラレ アロイプライマー 、サンメディカル V-プライマー など色々あるが、メーカーは合わせるべきである。特にVプライマーはスーパーボンド専用(4-META専用)であるから注意が必要。

GCのメタルプライマーUはベストセラーのメタルプライマーだが、「悪食」で、クラスプを即重で義歯につける修理の際に用いることも可能だが、機能性モノマーを含む昨今の接着性レジンセメントらと金属との合着時にどこまで効果があるかは未知数(ないよりマシなのは確か)。

今のところの万能選手は、松風のメタルリンクだろうか。とりあえずメタルプライマーを用意しておくなら、メタルリンクかメタルプライマーUでよいのでは。

 
posted by ぎゅんた at 22:17| Comment(0) | 歯科材料・機器(紹介・レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月21日

シランカップリング剤最強決定戦?

3M ESPE SIL.jpg

(記事追加・修正 11/22)
その昔、最も強力なシランカップリング剤はこれだ!と紹介を受けた製品が3M ESPEの SIL である。
具体的に何がどう強力なのか。それはおそらくは、(あるひとりの術者が)これでシラン処理して接着すると脱離が見られないから、というだけの、およそエビデンスレベルとしてみれば最低の評価であろうところにある。とはいえ、シランカップリング処理がどれほどまでに接着に寄与しているのかを評価するのは難しいため、エビデンスレベルはともかく、あるひとりの臨床家の意見を無視することもできない。N数を増やして統計的な評価ができれば、かなり正確な評価ができるだろうが、なかなか難しそうだ。接着歯学の分野で、シランカップリング剤による臨床的な成績・評価はでているのだろうか?

私にとってシランカップリング処理は、「ただでさえ接着しづらいのだから、ほんの少しでも接着に向上を期待して底上げする」処理だと考えてルーチンに行うものだと考えている。そして、被着面がシリカを含有するセラミック(ポーセレン)・ハイブリッドであればシランカップリング処理を行い、ジルコニアはフィラーを含まないことから別の処理を必要とする(AZプライマーのようなジルコニア専用のプライマーを用いる、リライエックスユニセムを用いて合着する、など)。



ところで冒頭のスリーエムのSILはシランカップリング剤であるから、これはジルコニアの接着に用いることはできない。セラミックス(ポーセレン)やハイブリッドの接着に用いるものである。

入手できるかどうかをディーラーに訊いたところ、日本国内での販売はしていないので、歯科医師の裁量の元に個人輸入して使用して下さいとのことであった。
SILの代わりかどうか不明だが、国内で入手可能な同社のシランカップリング剤に「リライエックス セラミックプライマー」がある。中身が一緒なのだろうか。


(追記)スリーエムより回答がありました。ありがとうございます。
さて、リライエックス セラミックプライマーとエスぺジルの違いですが、エスぺジルは技工用のシランカップリング材です。シランカップリング成分は基本的に同じですが溶媒が異なっており、エスぺジルの場合、塗布後の放置時間が5分と長くかかります。一方リライエックスセラミックプライマーはチェアサイドで使用できるよう15秒間のエアブローで効果が出る設計でございます。

なお、エスぺジル(製品番号68300、希望医院価格2,500円)は日本でも取り扱いがございます。

SILは技工用だった。
シランカップリング剤が本来の性能を発揮するには、塗布後の放置時間を長く取らなくてはならないことは、あまり知られていない事実のようだ。チェアサイド用のリライエックスセラミックプライマーは15秒の設計になっているが、それでも最低2分以上は作用させた方がよいのである。そして、できることならばドライヤーでの温熱乾燥させるべきである(熱は化学反応を促進するから)。


SILを利用する場合は
サンドブラスト処理→エッチング処理→SIL塗布5分後乾燥→口腔内で合着
の流れがベストだろう。
とすると、医院にサンドブラストのある技工室をもつ先生に向いているのではないだろうか。ない場合は、リライエックスセラミックプライマーかSILをチェアサイドで塗布して放置(その間に他の作業を済ませる)する方法を取ることになる。

個人的に3M ESPEの科学力はミラクルバイオレンスの認識でいるので、SILなるシランカップリング剤はかなり強力なのではと期待してしまう。リライエックスセラミックプライマーは5mlで8800円だから値段も存外にリーズナブル。ちゅか安すぎはせんか?価格も最強かもしれん。

SIL
posted by ぎゅんた at 21:13| Comment(0) | 歯科材料・機器(紹介・レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月15日

や、やるんですかい、あれを、兄ィ

欲しいなら買おう.jpg

実家の待合室の本棚に置いた「虹色ほたる -永遠の夏休み- (漫画版)」が紛失している。当院では、待合室の本や漫画の貸し出しサービスは行っていない。…疑いたくはないが、患者さんのどなたかが持って行ってしまったのだろう。許せねえぜムキーッ!

幼馴染の柔道整復師の接骨院でも同様のことがあり、紛失本を補うために一緒にBOOK・OFFに出かけたことを思い出す。本の余白に自院の判子を押しても持っていかれるとは、これはいかに。

目立たない余白に判子を押すなど、所詮は人の良識に期待しただけの激甘対策にすぎぬ。もっと過激に自己主張させるべきなのである。医院から持ち出すことなど許されないほどのエネルギーを与えるほかに無いのだ。

すなわち、全てのページの余白に「うんこ ちんちん おけつ しっこ」等の専門用語を落書きしておくのである。これなら恥ずかしくてとても所持しておられまい=持ち出すことは出来まい。医院の評判もダダ下がりかもしれんが。
 
posted by ぎゅんた at 23:43| Comment(3) | 歯科医院について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月14日

知ったら、取り入れていきましょう

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ねんがんの サインを 手に入れたぞ !!(牛窪先生ありがとうございます)

11/4(祝)、GC特別講演会「世界基準の歯内療法 〜根尖性歯周炎の予防と治療〜」が大阪であったので参加。早朝の電車に乗れば間に合いますゴトンゴトン。

公演の内容の多くは、実は既に知り得ていることであった。これは、「ぎゅんたさんは勉強家だ」なる意味ではありません。語弊があります。正確には「知識として知っているだけ」です。実を得ない知識は雑学に他ならない。知っていて、実践して、実感して、使いこなせる知識でなくてはならない。セミナーや講習会で得られた知見は、すぐに自分のスタイルに取り入れて使っていくようにしないと、「勉強した気になった」だけで消えてしまうものである。


エンドドンティック〜トレンドがあるとしたら?
私は昨今のエンドの講習会には比較的参加しているほうだと思うが、その多くで共通しているナと感じていることをここに述べてみる。
私見が混じっていることにはご注意願いたい。

@ラバーダムの励行、再感染を防ぐ
エンドで最も重要なことは、感染源の除去に加えて再感染の防止にある。拡大のテクニックについてばかりが論じられるが、ラバーダムで患歯を隔離することをなぜ行わないのか。ラバーダムがかけられない歯は、根治の対象外である。抜髄後のしつこい痛みは、根管に唾液がはいって細菌感染を許したから生じる。

基本的にファイルは使い捨て。拭いても洗浄しても完全に綺麗にはならない。


A開かない根管を開けるテクニックに関して述べられることはほとんどない
他人が触れた後の感染根管は技術的に開けられないことが多くある。石灰化で閉鎖しており開けられないこともある。このような根管を開けようと努力する姿勢は、根管を開けて作業長をとって感染源を除去することを念頭に置く歯科医師であれば当然のことかもしれないが、しかし、あかないものを開けようとするばかりに無駄な時間を浪費したり、人工根管を作ってしまう(歯科医師は本来の根管を開けたと勘違いしているにすぎない)のなら、触れられる本来の根管を完全に綺麗にすることを優先する方がよい。X線写真上で根尖に病巣を疑わせる投下像がある歯であっても、もし開けられなくとも、触われる範囲を徹底的に綺麗にすることでも良好な予後が得られるし、もし根管内からのアプローチに限界があれば外科的歯内療法に踏み切ればよいのである。もし根尖病変を有する歯であっても、90%は治癒に導けるはずである。開けることに躍起になって、根管本来の形を壊していても治癒に導いているわけではない。実際に感根処で予後が悪い患歯を逆根管充填でアプローチすると、本来の根管から逸脱した根管が形成されている実態がしばしばみられる。根管からのアプローチには限界があるのである。


Bニッケルチタンファイルの利用
湾曲根管を本来の根管の走行に沿って拡大するために…というよりは、単純に早くて楽だから使う。手用ファイルは時間がかかり、テーパーが不足しがち。とてつもない彎曲のある根を拡大形成できる魔法の器具でも何でもない。

なお、ニッケルチタン用いることで根管がすべてファイルの刃で触れられて綺麗になっているかといえばNoであり、全く触れられていない所が存在する。


C根管洗浄にはEDTAとヒポクロがメイン
効果的な濃度、順序については以下に記載。ヒポクロは有機物に触れると瞬時に効果を失うので、ある程度ジャボジャボと使う。
EDTAは少量でも根管象牙質に触れていればよい。一分も放置すれば充分である。
根充前の洗浄は、EDTA→ヒポクロ→EDTA

クロルヘキシジン(CHX)を使う方法もあるが、ヒポクロと触れると沈殿物が生じるので使いづらい。


Dマイクロスコープ
エンドの高い成功率を約束する器具ではない。見えないところは処置できなくても、見えるなら処置できる。見えることを可能とする器具である。見えることで確実な処置が可能となる。

世界的著名なエンドドンティストの多くはツァイスのプロエルゴを使用するようだ(高い〜)。




最後に、今回の講演会に参加して得られた様々な情報を大まかにですがふたつに分けてリストアップします。個人的メモを兼ねる。

1)知っているが、実践していない(雑学)
・水酸化カルシウムは、使用直前に水と練和して貼薬すると薬理効果が高い
右矢印1水酸化カルシウム粉末+プロピレングリコールを練和したものを作り置きで使用している

・根尖を#15で穿通すると、根尖孔周囲のセメント質を剥離させるのでよくない
右矢印1#10でネゴシエーション後に、気にせず#15で穿通している

・作業長は、RootZXで0を指した長さから0.5-1.0mm引いた長さ
右矢印1常にファイルはRootZXと一緒。メーター目盛り1.0を目安(感染根管は0.5)

・根治は、とにかく無菌処置を徹底させること。なんぼいえばわがる
右矢印1常にラバーダムをかけているわけではない。

・ニッケルチタンファイルの使い方。クラウンダウンとフルレングス。クラウンダウンは破折防止の面で有利だが、湾曲があると外側に偏移しやすい。細→太のフルレングスは、偏移は防止しやすいが破折しやすい
右矢印1手用ファイルで#25まで根尖を触ったあと、松風のMtwoファイルで少し触る(拡大するよりは、テーパーを付与してその後のファイル操作を楽にするイメージ)

・感染根管治療は難しい。根管からのアプローチ限界があれば外科的歯内療法に踏み切ればよい。なんとしても習得しなくてはならない。
右矢印1まだ歯根端手術をやったことがない(勤務先の院長はやるが)

・NEX MTAセメントは使いやすい量で安いよ!
右矢印1使ったことがない。ホームセンターで買えるドカチンセメント(ポルトランドセメント)と殆ど成分が同じと聞くと購入に心理的ブレーキが…ドックスベストセメントじゃあかんのか?


2)知らなかった そんなの…
・スメア層除去を目的に根管内に用いるEDTAは、中性に近い17%のものがもっとも効果的(Ciで購入可 17% pH7.3)
右矢印1EDTAはRc-Prepで利用している(Rc-PrepのEDTA濃度は
・ヒポクロの濃度は、効果的な有機質溶解を期待していくと6.25%
右矢印1勤務先では0.5%、実家では10%を使用している
・根充前、根管を化学的に清掃するなら、EDTA→NaOCl薬理EDTAで洗浄する
右矢印1Rc-Prepとヒポクロのみ
・X線写真上で根尖病巣が写っている患歯の感根処で、例え開けられなくても、62.5%は大丈夫(?)。むしろ開けようと気張ることでパフォったり、人工根管を作る方が患歯にとってよくない。開かない根管は、開けなくても大丈夫かどうかの診断が出来るようになることが大切。
・GCのガッタパーチャソフトの「ソフト」は、体温付近の温度で変形し、伸びが良く、アクセサリーポイントと同化しやすい
右矢印1湾曲根管用の、弾力のあるガッタパーチャと思っていた


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posted by ぎゅんた at 20:03| Comment(0) | 根治(考察) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする