2012年08月22日

続・電動式歯科用ファイル 松風 Mtwoファイル について

抜去歯牙で練習し、恐る恐る実践でも使用してみた試結果、どうやこのMtwoファイルは使いやすい便利な製品であることがわかってきた。

長所は
・コントラアングルがあればよい
・なかなか丈夫そうな弾力(根管追従性は弱いかもしれないが、破折しない設計が第一である)
・感染根管治療時のGP除去に使える(エンジンリーマーよりは安全かも?)
・#15/05で一回、作業長まで形成するだけでも、その後の手用ファイルでの拡大形成の抵抗感が減少し楽になることが実感できる

つまり、導入のハードルが低い製品なのである。

短所をあげるとすれば
・ラバーストッパー依存での操作

であろうか。
他社の製品に比べて切削効率が優れている/劣るの比較はなんともいえない。
後発品なので劣ることはないだろうが。


現時点で使用しているのは、ベーシックなキットである15/.05、20/.06、25/.06 の三種類である。
大きな根管形態用、歯冠側拡大用もラインナップされているが購入していないので使っていない。

以前の記事にも書いているが、ネゴシエーション後の拡大の前には根管口付近の十分な拡大が必要であるとして、#15のKファイルで作業長を確認したのちに手ゲイツドリルのNo.2>No.3>No.4>No.3>No.2で根管口明示を行うと書いた。Mtwoファイルの導入によってこの作業を省略してよい訳ではないが、この後に15/.05を作業長まで一回通すだけで、その後のファイル操作が楽になるのである。
楽になる、というのは、ファイルに対する必要以上の抵抗感が少なくなるということであるから、ニッケルチタンにしろステンレス-スチールにしろ、ファイルの破折のリスクを減じられるのである。

ところで、手用ファイルを根尖まで到達させるとき、上下運動だけで無理なときはどうしておられるだろうか。普通に時計回りにリーマーやKファイルを回転させているのではないだろうか。そりゃそうですよね。実習で1/3〜1/4以上回転させるな!と言われたことと思いますが、そんなの研修医になったときに「遵守していられるか!」と思いましたよね?

手用ファイルを回転させて使うことに熟達している先生は、やはり破折のリスクは常に考慮しなくてはならないから、根管の拡大形成を、楽で破折のリスクが小さい作業となるようにしなくてはなるまい。
その意味で、#15の作業長に合わせた 15/.05ファイルを一回だけでも通すだけで破折リスクを下げられるのは大きかろう。そのとき、ラバーストッパーの位置を間違えてオーバーインストゥルメントしたとしても#15のファイルが一回、根尖孔外に突き出た程度なのであまり大きな問題にはならないだろう。


ところでこの製品、名前がMtwoと風変わりである。松風だからと言ってしまえばそれまでかもしれないが、ちょいと気になったのでメーカーに問い合わせてみることにした。また、併せてファイルの使用回転数についてや破折を防ぐための留意点、カタログに「形成」とあるが、「拡大」の意図はないという解釈でよいのかについても質問した。

返事がきたので抜粋しよう。この製品を導入される先生方の一助となれば幸いです。
根管が「根幹」になってるぞ。しっかりしろ!

↓↓↓
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ぎゅんた 先生

 拝啓 時下、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
 平素は松風製品をご愛顧いただき誠にありがとうございます。

 お問い合わせいただきました”Mtwoファイル”につきまして、下記のとおり回答申し上げます。

 @製品名
開発者二名の頭文字Mをとり、このような名称になりました。 
 
A破断を防ぐための留意点
 トルク及び回転速度が制御可能な歯科用根幹拡大装置を用いて、下記表の条件で使用することと無理な力で押し当てないことが重要です。
 
noname.gif

 使用回数については症例にもよりますが、最大8回となっております。
 また、消耗度を外観で見極める際は、歯科用ルーペやマイクロスコープといった拡大鏡をお使いいただき、
 以下の不具合を確認した場合、直ちに廃棄してください。

 ・ファイルの屈曲(塑性変形)
 ・スパイラル部の変形(らせんの伸び等)
 ・切削エッジの破損及び磨耗
 ・ISOカラーコードの褪色 
 ・腐食 ・・・etc

 B使用用途
 本製品は根幹の拡大、根幹壁を平滑にすることを目的としてご使用いただけます。
 使用方法の詳細は添付文書をご参照下さい。
 
簡単ではございますが、ご質問の回答とさせていただきます。
また、別途ご質問、ご意見をいただく場合、お手数ですが弊社のデータ管理上
代表のEメールアドレス(webmaster@shofu.co.jp)宛にご送信下さい。
今後とも、なお一層のご愛顧のほど、宜しくお願い申し上げます。

敬具
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↑↑↑


Mtwoファイルの商品名の謎は、開発者二人の頭文字だった!
松風は相変わらずファンキーな会社ですね。
昔お世話になったことをさしひいても、個人的に好きな会社です。

使用回数が最大8回というのは、どのような使い方をしてのものか今ひとつ分かりませんし、保険診療でペイするなら、流石に8回で破棄していては問題外の外です。マイクロやルーペでファイルを確認して破棄を決定するのが現実的ですかね。
やはりニッケルチタンファイルは、いかなる製品も拡大に用いないぐらいの姿勢で利用するのがよいのでしょう。少なくとも15/.05を使用する前にはH#15のファイリングとゲイツによる根管口明示を行い、ニッケルチタンファイルへねじれストレスを可及的に小さくしたいものです。拡大に使えると謳っているのは、おそらく破折のリスクは承知のうえでのことでしょう。「根管形成用電動式歯科用ファイル」じゃあ売れなさそうですものね。


そんなわけで、これからはMtwoファイルを使っていこうと思ってます。おわり マル
 

外部リンク
松風Mtwoファイル
posted by ぎゅんた at 21:54| Comment(0) | ニッケルチタンファイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Er:YAGレーザーさんがチャットルーム【根治】にログインしました

Er:YAGレーザーの根管治療への応用として、どのような用途が考えられるだろうか

照射部表層のみに限局した作用と高い安全性から、適当に根管内を照射しても大丈夫そうな印象があるし、だいたいその通りなのだろうが、具体的にどのような使い方がよいかを考えたい。今のところ根管治療にEr:YAGを使用したことはないが、"具体的な"使い方をあらかじめ考えておくと、とっさの時の突破口となるかもしれないからである。そこまでいかなくとも、色々考えるだけでも頭の体操にはなろうというもの。

前回の記事でEr:YAGについて調べたことを記載しているが、要はレーザー熱と水の爆発・蒸散による殺菌効果と不良肉芽等のデブライドメントに有効なレーザーだと分かった。殺菌効果目に見えて分かるものではないから、やはりデブライドメントか本命か。ちなみに止血効果はないものと思った方がよい(表層作用型なので。逆にいえば安全性が高い)。

このことから考えるに、Er:YAGの根治への応用は、まずパフォ(穿孔部)に対する処置に用いられそうだ。チップが直接直視できるような操作性が確保された部位に限局されるとは思うが、内翻した、あのすぐ出血してくる憎たらしい肉芽をレーザーで除去するわけである。Er:YAGレーザーを肉芽組織に照射すると、収縮させ除去しやすくできる。また、パフォ部周辺の歯質のトリミングもそのまま出来よう。

パフォ部は無菌的に止血してプロルートMTAで封鎖することで良好な予後が期待できる、そんな術式はが最近では確立しているが、しかし保険診療であのグラム万円のドカチンセメントを用いるのは不可能であるので、現実的には、EBAセメントを用いることになるだろう。スーパーボンドでもよいかもしれない。生体親和性が高い材料で封鎖出来ればよいのである。


根尖切除術の時にも使えるだろう。根尖孔外バイオフィルムを含めた感染源の除去と肉芽組織の除去である。逆根管充填用の窩洞の形成も、根切では根尖を斜めにカットするので、自由のきかない照射チップでも可能ではないだろうか。

根管内は湿潤状態であるので、根管内消毒にも使えるだろう。
ただ、操作の用意な細いチップは別売りであり、どうにも華奢で壊れやすそうなので、積極的に導入するのは憚られる。古典的だが、イオン導入法のほうが確実なのではないだろうか(しかし勤務先にはイオン導入はない)。


思うに、Er:YAGレーザーの根治への応用として現実的なのは

1.穿孔部の処置に
2.根尖切除術の時に
3.根管内消毒に

ぐらいのものではないだろうか。
はたして使用するシチュエーションは訪れるのだろうか。

レーザーがどうこうより、開かない根管をどうこうするテクニックの方が切実ですかね。


俺はこんな風にEr:YAGを使ってるぞ(エヘン)という先生方のコメントをお待ちしております。

iPadより送信
posted by ぎゅんた at 12:54| Comment(8) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月20日

歯科用レーザー、主にEr:YAGレーザーについて

laser.Jpg
※このレーザーは強力すぎです


歯科用レーザーのひとつであるEr:YAGレーザーについて、勤務先の院内で軽く発表することとなり、レジュメを用意しました。
さして立派な内容ではありませんが、データを保存しておく意味もこめてうpしようと思います。
間違いがあればご教示ください。恥をかくのはぎゅんたひとりで十分です。
レーザーを感染根管治療で使ってみたいところですが、準備の手間とチップの太さゆえにいまだ実現しておりません。ファイルで機械的に除去するのが第一ですな。

↓レジュメ↓
歯科用レーザー、主にEr:YAGレーザーについて


Er:YAGレーザーは水に対する吸収特性が極めて高く、その高い水への吸収性を利用して、水の爆発エネルギー・蒸散エネルギーへと変化することで切開・形成・除去等の処置を行うものである。

Er:YAGレーザーを照射することで起こる、被照射側での反応は照射部表層にほぼ限ったもので、組織深部への影響は少ない。熱の発生は(他のレーザーに比べて)微小で痛みも少なく安全性が高いといえる。

また、照射部周囲組織への影響もほとんどみられない。

骨組織や歯牙硬組織を切削できるレーザーは、通常 Er:YAGレーザーのみであり、国内で入手できる製品としてはモリタのアーウィン・アドベールになる。

Points 【アーウィン・アドベール】

・安全性が高い
・絶対禁忌症例はひとまずなし
・深部に作用しないので、ペースメーカー患者でも使用可
・照射しながら殺菌が行える(照射レーザーの熱が殺菌効果となる)
・硬組織と軟組織の両方に対応可(対象組織に水分子があればよい)
・炭酸ガスレーザーのような止血能力は低い(光侵入深さが著しく小さく炭化しにくいので)
・チタン表面に照射しても反射により照射面の温度が上昇しない。Peri-implantitisへの応用可
・無痛的とはいえ、完全に無痛の処置が可能であるわけではない
・機器の値段は高い(高級車一台が買える価格)
・蒸留水(精製水)が必要
・チップは消耗品
・防護メガネの着用が必須(口腔内に金属があり、そこにレーザーが当たれば反射する)
・う蝕歯無痛的窩洞形成加算40点
充形または窩洞形成(KP)に加算
エアタービン等歯科用切削器具を用いずにレーザーを応用して疼痛の発現を抑制しながら充填形およびKPを行うことを評価したものであり、エアタービン等歯科用切削器具を用いた場合は算定しない
施設基準の届出を行った保険医療機関において、保険適応となっているレーザーによる照射を行った場合に算定できる
−施設基準
レーザー治療に関わる専門の知識および5年以上の経験を有する歯科医師が1名以上居ること
無痛的に充填のためのう蝕の除去および窩洞形成が可能なレーザー機器を備えていること
・手術時歯根面レーザー応用加算60点
歯肉剥離掻爬手術または歯周組織再生誘導手術において、レーザー照射により当該手術の対象歯の歯石除去等を行った場合に、格所定点数に加算する。
当該レーザー治療に関わる専門知識および5年以上の経験を有する歯科医師を配置していること


主な使用目的と効能

・硬組織疾患
う蝕除去、WSDの表層除去、知覚過敏部位への照射による疼痛緩和

・歯周疾患
歯周ポケットへの照射、歯石除去、歯肉整形、ポケット掻爬、フラップope

・軟組織疾患
歯肉切開、歯肉切除、口内炎の凝固層形成、小帯切除、色素沈着除去

・その他
歯髄温存療法(覆髄・生活歯髄切断法)
根治への応用(根管内有機物の除去・滲出液の蒸散、根管内の感想・根管内の消毒、殺菌)


特にフラップを開けてのデブライドメントに用いると効果が高い。
殺菌、感染セメント質を含む縁下歯石の除去、不良肉芽組織の除去が一括で行えるからである。
不良肉芽はレーザーの照射により収縮し掻爬しやすくなる。

硬組織の除去は、歯科用切削器具を用いる場合に比べると時間がかかる。
象牙細管に対して垂直に照射すると痛みを訴えるので、照射の走行は象牙細管に対して斜め〜並行にすることを心がける。
同じ硬組織でも、エナメル質と象牙質とでは、水分含有率の高い象牙質が切削しやすい。また、脱灰の進んだ感染歯質は水分含有率が高いので(健全歯質に比べて)切削しやすい。レーザー照射後の修復処置でコンポジットレジンを用いる場合は、通常の歯面処理を行う。接着強さが向上する報告はない。


口内炎への応用
とにかく接触痛を和らげたいが、どうすれば達成できるか?

1.患部表面を凝固させることで痂皮と同じく、外来刺激をブロックさせる
2.組織内にレーザーを到達させて神経伝達路に作用させ、知覚を鈍麻させる

1.は、照射部表層のみに作用するEr:YAGが向いている
2.は、深部に作用させるため、組織透過型レーザーが向いている(半導体レーザー、Nd:YAGレーザー)

※1.は即効性があるものの、疼痛閾値の低下した部位に熱刺激を加えることに変わりはないため、照射時に痛みを感じやすい
 
posted by ぎゅんた at 22:02| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月08日

電動式歯科用ファイル 松風 Mtwoファイル について

Mtwofile.Jpg


松風からニッケルチタンファイルとしてMtwoファイルが上市された。
勤務先の医院にお試しで基本術式用の三種類(235 025 015 . 236 025 020 . 236 025 025)が届いた。まだ抜髄時に一回使用したにすぎないが、このファイルについて述べて行くことにしたい。


松風 Mtwoファイル(会社HP)
http://www.shofu.co.jp/news/hp0001/index.php?No=468&CNo=1


このファイルの特徴 〜 メーカーの謳い文句

1)手用ファイルに近い術式で使用できる
2)高い根管追従性を発揮、なめらかな根管形成を実現
3)安全かつ迅速な形成をサポート


以上の点について考察する


1)手用ファイルに近い術式で使用できる

ニッケルチタンファイルというと、専用の器具を用いて、ステンレススチールではなく弾力に富むニッケルチタンのファイルを機械で回転させて根管内に挿入する…こういうイメージをお持ちの先生が多いのではないかと思う。
また、コストパフォーマンスが悪い、破折する、結局使わなくなる、そんなイメージも強いだろう。これはおよそ正しいイメージである。


使い慣れて基本動作を担う手用ステンレススチールから見慣れぬ電動器具で根治をするのはハードルが高いし、何より根尖を破壊したりファイルを破折させてしまうリスクも拭いきれない。これは正しい判断である。そして使ってみて、破折させてしまったり、期待していたほどの治療効果が得られなかったりして帰結、慣れ親しんだ手用ファイルに戻るのである。そこが原点であるのだから当然のことだ。


このMtwoファイルは、手用ファイルに近い術式で…とあるが、この意味は、手用ファイルでのステップバック法のように形成する、という意味である。
専用の機械は購入する必要はなく、コントラアングルに取り付けて使用する。回転は低速回転である。備え付けのユニットのコントラ回転数の最も低いぐらいの回転数である。カタログには何故か回転数についての記載がない。
とりあえずファイルを購入すればすぐ使えるという手軽さは長所である。


EMR併用での使用は無理なので、作業長はラバーストッパーで確保する。
ERM併用での作業に慣れていると、ラバーストッパーで合わせて根管を触るのが怖い。私は未だに怖いので、測った作業長に合わせたラバーストッパーを若干、短めに微調整している。繊細な根尖部は手用ファイルで形成すればよいと思っている。
また、このMtwoファイルは、テーパードGPでRCFさせるものではなく、形成のあとはラテラルなりバーチカルなり好きにしろという設計である。であるので、スタンダードな、根尖部にアピカルシートをつけて、規格号数のマスターポイントを用いて根充すればよい。この意味で、多くの先生方は特に根治術式変更を強いられることはないのではないだろうか。メーカーの謳う「手用ファイルに近い術式」の意味はこのようなところだろう。
従来製品からの長所や欠点から、多くの臨床家にとって使いやすいシステムの製品を、素直に妥協を織り交ぜて出してきた感じである。ワンステップのビューティーボンドを出した時の姿勢に似ているというか。




2)高い根管追従性を発揮、なめらかな根管形成を実現

ニッケルチタンの特徴を言っているにすぎない。他者のそれと比べてどうなのかは不明。
注意したいのは「形成」であり「拡大」と言っていないところである。
この製品で「拡大」と言っているのは「側方拡大」のみである。
この辺の表現の妙を、我々ユーザーはこのように解釈するべきではないか。


この製品では、根管の「拡大」はメインに据えていない。なぜなら、ニッケルチタンファイルは根管形成のためのものだからである。RCFに備えた器作りなのである。ニッケルチタンの有する弾力性や根管追従性を武器に、機械的トルクで手早く簡単に根管の拡大形成を終えることを叶える器具ではないのである。これぐらいの認識をもって、形成のみに使用するようにしておかないと、破折ファイルが何本できても足りない事態となる。
これはニッケルチタンファイルに特有の現象だが、なんの前触れもなく突然破折する。機械的拡大を無理にさせる力や、根管壁押し付けるように動かした場合にすぐに起こる。あかない根管をニッケルチタンで開けられるかもと、根尖方向力を加えて使用すると折れることになる。あかない根管を開けるも器具でもないのである。


手用ファイルで行うと時間がかかる状況を、機械を用いることで時間を短縮させるものという認識が望ましい。破折しても根切をしたりマイクロで除去出来る自信があるのならこの限りではないが…




3)安全かつ迅速な形成をサポート

本製品は、根管壁にファイルを軽く押し当てて小さなストロークでブラシ掛けをするように根管を拡大する「ブラッシングモーション」が可能だという。これは真っ新の新品の状態であれば破折することなく可能かもしれないが、過信しない方が良いだろう。メーカーは悪いことはカタログに書かないからである。
むしろ「本来破折招きそうなそんな危険な使い方も出来るぐらいには破折し辛いのだろう」ぐらいに考えて、形成のみに使用するのがよいだろう。
使い捨て上等の姿勢なら拡大と形成を同時に行えるとは思うが、当然、保険診療ではペイできない。




実際に使用してみての感想

普段の抜髄操作手順に加えて使用した。
おおよそ以下のように行っている。その上での感想となる。

1.う蝕除去
2.天蓋除去、髄腔の整理
3.#10Kを根尖まで通し、先端部で1ミリの上下運動
4.#15KがAPEXに到達することを確認
5.#15Hでファイリング
6.ゲイツ#2右矢印13右矢印14右矢印13右矢印12
7.#10Kを根尖まで再度通す
8.根尖のサイズが#15だったので、この号数で作業長を決定
9.Mtwoファイルの15/.05 のラバーストッパーを作業長に合わせて、根管に挿入して形成
10.Mtwoファイルの20/.06 のラバーストッパーを作業長に合わせて、根管に挿入して形成
11.Mtwoファイルの25/.06 のラバーストッパーを作業長に合わせて、根管に挿入して形成
12.#25Kでアピカルシート形成
13.#30Kでアピカルシート形成
14.止血を確認、洗浄、仮封


Mtwoファイルを使用するのは、あくまでも、手用ファイルやゲイツで拡大したあとである。ブラッシングモーションは行っていない。
実際の作業時間は、使用しなかったであろう場合に比べると5分ほどは早かった。#15〜35あたりを手用ファイルで形成して行くのは時間がかかるのである。手を抜いて手早く簡単に仕上げられるところは手早く、慎重に時間をかけるべき作業は手で慎重に行えばよいのである。


導入のハードルは色々と低いと思うので、興味のある先生はすぐに抜去歯牙で試してみてはいかがでしょう
もう少し使用してみて、感じた事や新たに分かった点があれば報告したいところだ。


iPadより送信
posted by ぎゅんた at 19:52| Comment(0) | 歯科材料・機器(紹介・レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする